どの銀行で口座を開設するのが正解? 暮らし方から考える判断基準
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銀行口座を開きたいと思っても、たくさんありすぎて、どこに申し込んでよいかわからない、と思ったことがある人は多いだろう。金利は低いし、利用するメリットといえば、単に「お金の置き場」としてでしかない。
では、お金の置き場を自分が便利に使えるように作るには、どのような口座を選ぶだろうか。気にしたいポイントは、手数料と利便性。今回はこの2つに着目し、目的に合わせた口座開設の判断基準について検討したい。


まずは自分の暮らし方から口座を考える


口座を効率よく使うには、自分がどのように銀行を使いたいのか、ということが大切になる。簡単に言えば現金主義で暮らしているのか、キャッシュレスで暮らしているのか、ということだ。
現金中心に暮らしているのであれば、銀行で最も使うのはATMということになるだろう。お金の出し入れをするために、手数料がかかるのかということがポイントとなる。
キャッシュレスの場合は、より便利に使えるところはどこか、ということになるだろう。口座の入出金明細をインターネットサイトやスマートフォンアプリで確認できる、VISAやJCBのデビットカードで口座から即時決済で買い物ができることも選択するポイントになる。
振込が多い人は振込が無料でできる回数が多い銀行を選ぶだろうし、投資をしている人は銀行口座と証券口座の連携がよいものを選びたいだろう。このように、口座選びの視点はいくつもある。


現金主義は「手数料」


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低金利時代で銀行の収益が下がっているため、今まで無料だったり、低料金で提供してきたサービスに手数料を課したり、料金を値上げする対策が取られるようになってきた。つまり、無料サービスは少なくなり、利用者から手数料を取って何とか経営を維持しようと、銀行は動いているのだ。
例えば新生銀行は、コンビニを含めたどのATMでも無料で使えたが、今年10月をめどにATM出金手数料を一部有料化すると発表した。


この手数料は、実は馬鹿にならない。1度の引き出しで108円~270円ほどの手数料。預金金利でこの金額を得るには、いくらの金額をどのくらい預けておけばよいのだろうか。そう考えると、自分のお金を引き出すのに手数料をかけることが非常にばかばかしくなってくる。ということは、現金をよく使う生活をする人は、ATMの引出手数料がかからない銀行を選ぶということが第一の選択肢だ。

手っとり早く無料でATMが使える口座を持ちたいと思うなら、「三菱UFJ銀行」の口座がよいだろう。コンビニ利用では手数料がかかるが、同行のATMであれば平日休日問わず、8:45~21:00までATMが無料で使える。しかもメガバンクであり、かつさまざまなところに自行のATMを設置しているので、多くの人は不便を感じないだろう。
この点は「ゆうちょ銀行」も同じだ。ATMが稼働している時間帯は、利用料は無料だ。


キャッシュレスで暮らす人は「利便性」


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「銀行はただお金を置いておくだけ」と考え、現金を引き出すこともなくカード払いで暮らす人には、比較的預金金利が高いネット銀行がおすすめだ。店頭窓口がある銀行よりも人件費がかからないため、金利も高めである場合が多い。さらに系列の証券口座を開設し、預金口座と連携させると、金利がかなり高い条件でお金を預けておくことが可能になる口座もある。
この点は、楽天銀行や住信SBI銀行でよく知られている。

クレジットカードの後払い方式が気になる人は、クレジットカードブランドが付いたデビットカードを発行している銀行が複数あるので、その銀行を選ぶとよい。ATM手数料がかからないのに、自分の預金口座のお金を即時に使って買い物ができるカードだ。お金を引き出すために並ぶ時間も節約できる。VISAやJCBが付いているので、多くのお店で使え、ネットショッピングもできる。利用した履歴は利用時にメールが来る、ネットから銀行口座を確認するとすぐにわかるので、お金の使い方も見える化できる。こういったサービスのある銀行も、賢く活用できる口座の一つとして比較する対象に加えたい。


コツは余分なお金をかけず、メリットを得ること


銀行口座の開設を迷う人は、比較サイトなどをよく見ていることだろう。その比較を見ながら、自分が無料で、かつ一番サービスを得られる口座を選ぶとよいだろうと思う。比較サイトはよくできていて、こんな口座よく勧めるな、と思うような口座はほぼ見当たらない。どの銀行も特徴のあるサービスを提供しているので、よいと思えれば間違いはないだろう。複数サービスを得られるようであれば、なおのことだ。


たとえば三菱UFJ銀行口座を持ち、普段は同行のATMを無料で利用。口座引き落としはネットで確認し、買い物はVISAデビットカード。時間も手数料も節約できた使い方の1つだ。また、楽天銀行口座であれば、楽天証券口座と連携すると、預金金利が0.1%になる。振り込みは窓口のある銀行より安く利用でき、VISAもしくはJCBのデビットカードでの決済も楽だ。お金の流れはサイトやアプリで簡単に確認できる。セキュリティも万全だ。ほかの口座でも、このように便利な使い方があるはずだ。自分に一番メリットのある条件を、見つけてみよう。
(横山光昭)
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