
仕事終わりの疲れた体を労うために居酒屋に寄って帰る人は少なくないのではないだろうか。ただ、居酒屋はちょっと利用するだけでもそれなりのお金がかかることもあり、サラリーマンにとっては頻繁に利用できるものもない。
今回は、安いのに美味しくてお酒も飲める日高屋についてその概要から特徴、メニューさらには業績好調の理由まで詳しく解説していく。
日高屋とは
駅前などでよく見かけるという人や実際に利用している人も多いかもしれないが、まずは日高屋がどのようなお店なのか、その概要を紹介する。日高屋の概要

日高屋は正式には「熱烈中華食堂 日高屋」という名称で、その名前の通りラーメンやチャーハン、餃子といった中華料理やビールなどを提供しているお店だ。
日高屋を運営しているのは株式会社ハイデイ日高という埼玉県の会社であり、日高屋のほかにも、「来来軒」「焼鳥日高」「中華一番」「ラーメン日高」「大衆酒場HIDAKA」などさまざまな店舗を運営しているが、日高屋がハイデイ日高の一番の主力事業であると言える。
日高屋の歴史

日高屋の設立は1978年で、もともとはラーメン屋で働いていた現会長の神田正が、当時勤めていたお店のオーナーからお店を引き継いで「来来軒」をオープンしたところからスタートした。当時のお店は立地が悪かったが、周囲のお店がやっていない深夜営業を行ったり、サラリーマンのランチのニーズの高まりに応じてチェーン展開を行ったり、さまざまな業態のお店をオープンさせたりと、数々の先進的な取り組みにも挑戦している。
そのような経緯を経て、現在の主力事業である日高屋の1号店がオープンしたのは2002年だった。1号店を新宿東口に開店したのが6月だったが、そこからわずか半年で100店舗をオープンするなど、驚異的な速さによって店舗を拡大している。
その後、日高屋は優良フードサービス事業者等表彰・新規業態開発部門において「農林水産大臣賞」を受賞、売り上げも100億円を突破、東京証券取引所一部上場を果たすなど一気に成長を果たし、2018年2月時点では首都圏1都5県(東京、神奈川、埼玉、千葉、茨城、栃木)に400以上の店舗を展開、社員数は約800名、売り上げは400億円超えと大きな企業となっている。
日高屋がこのように大きな企業へと成長を果たした背景にはお客のニーズを考慮したさまざまな特徴がある。続いては日高屋の特徴について確認してみよう。
日高屋の特徴
今や大きな駅の前には必ずと言ってもいいほど見かける日高屋。多くのお店を出店している背景にはお客のニーズを踏まえた日高屋のこだわりが見られる。ちょいのみに向いている安さ

一度でも利用したことがある人ならわかると思うが、日高屋はとにかく料理が安い。
例えば定番メニューの1つである中華そばは1杯390円と格安。これに餃子(6個で290円)とビール(330円)を加えても950円と1,000円を切る。仕事終わりにちょっと飲みたい時や飲み会の後の締めとしてはぴったりの料金設定なのだ。
この料金であればおこづかい制のサラリーマンであっても利用しやすい。
また、ビールのお供になるおつまみ類に関しても、中華風味付けメンマ(120円)、枝豆(170円)、(韓国キムチ)170円、やきとり(170円)、ポテトサラダ(190円)と200円を切るメニューも多い。
格安メニューが豊富な日高屋は、ちょっとだけ飲んで帰りたいという時に最適なのだ。
立地の良さ
日高屋は1号店のオープン以来、毎年たくさんの店舗をオープンし続けているが、店舗に関しては「誰もが気軽に立ち寄れるお店を目指して」という言葉を掲げているようにこだわりを持っている。
この言葉の通り、日高屋は駅前のビルの1階という一等地に店舗を構えている。もし気になるようなら実際に大きな駅前の周りを見渡してみてほしい。
駅前であっても2階や3階の店舗となると上の階に行くのが面倒に感じてしまうこともあるが、1階ならそのまますぐに入ることができる。また、仕事帰りのサラリーマンや最寄駅に降りたサラリーマンが気軽に立ち寄ることもあるだろう。まさに「誰もが気軽に立ち寄れるお店」を現実のものにしているのだ。
1階ともなると土地の料金は高くなることが予想されるが、現在の日高屋の好調ぶりを見る限りこの立地に関するこだわりはお客のニーズにあっているようだ。
どの店でも美味しさは同じ
チェーン店を運営していくうえでは、どのお店に行っても同じ味を楽しむことができるかどうかは非常に重要な点だろう。
日高屋に関しては化学調味料をできるだけ使用しないようにしているほか、麺に使う小麦粉、スープの原料、チャーシューの作り方など料理の1つ1つにこだわりがある。これらの食材の製造は、埼玉県行田市にある工場で行われているため、同じ味、同じクオリティの料理を提供することが可能になるのだ。
また、各店舗においても「鍋調理技術審査制度」という独自の審査制度を導入し、高いレベルの調理技術を保てるようにしている。
たくさんの店舗を抱えるなかでどの店舗に行っても同じ味が食べられるというのは、利用者にとっては「ハズレ」がないため、仕事で知らない土地を訪れた時などでも、選択肢の1つになる。
深夜まで営業
日高屋のありがたい点は深夜まで営業していることだ。店舗によっては23時台に閉店する場合もあるが、大きな駅の前にある店舗などでは深夜2時や3時まで開いていることも珍しくない。
深夜までオープンしているということで、終電で帰宅してきた人がご飯を食べることができるほか、深夜に小腹が空いた時などにも食べに行くことが可能となる。
ビジネスモデル
ここまで紹介してきたように、日高屋は駅前の一等地の1階の店舗、格安で種類も豊富なメニュー展開、行田工場での製造による同じクオリティの料理の提供、とお客のニーズに沿ったサービスの展開を行っている。
日高屋の店舗は全て直営店方式でフランチャイズはないため、全店舗でこれらのビジネスモデルを実行することができるのだ。
日高屋のメニュー

先ほども少し触れているが、日高屋の特徴の1つが安くて豊富なメニューだ。続いては日高屋の主なメニューについて紹介する。
主なメニュー
日高屋は中華料理を提供しているお店なので、主なメニューには看板メニューのラーメンなどの麺類、中華の定番餃子、そしてチャーハンなどのご飯ものがある。ラーメンやチャーハン、餃子に関してはセットメニューとして注文することもでき、半ラーメン、半チャーハン、餃子(3個)の「ラ・餃・チャセット」は570円で食べることができる。
また、定食系のメニューも用意されていて、生姜焼きやレバニラ、唐揚げ、野菜炒めなどのおなじみメニューもある。また、野菜と肉をピリ辛ソースで炒めた「バクダン炒め」というメニューは人気も高く、ご飯がどんどんすすむ。
そして、先述のとおりおつまみ系のメニューも豊富であり、枝豆、メンマ、キムチ、冷奴、ポテトフライ、唐揚げなど居酒屋で注文するようなものも多くある。これにあわせてビールやハイボール、レモンサワー、ウーロンハイ、日本酒なども注文できるので、しっかりと飲みたいという人も満足できるはずだ。
このほかにも季節限定のメニューが販売されることもあるほか、唐揚げと餃子に関しては冷凍のものを購入することができるので、家でも日高屋のメニューを楽しめる。
日高屋のサイトではカロリーや塩分もわかる

メニュー紹介を読むとわかるかもしれないが、中華料理が多いこともあって、そのカロリーや塩分が気になる人も少なくないのではないだろうか。
ダイエット中の人、医者から控えるように言われている人などはなかなか日高屋を利用しにくいかもしれない。
しかし、日高屋では各メニューのカロリーと塩分がどのくらいなのか表示してくれているので、量を制限しなければいけない人でもちゃんと計算すれば十分に楽しむことができる。
食べ過ぎはよくないが、ぜひ可能な範囲で安くてうまい日高屋の料理を堪能してみてはいかがだろうか。
クーポンの利用で一部無料に
日高屋では「モリモリサービス券」というクーポンを提供している。これは麺類であれば70円になる大盛りが無料になり、ライスであれば60円になる大盛りが無料になり、そして味付玉子が半額の50円で提供してもらえるお得なクーポンだ。
ただでさえ、料金が安い日高屋においてさらにお得になるクーポンということもあって、積極的に利用したい。
過去最高営業利益更新中! 勢いのある日高屋

2002年にスタートした日高屋は2018年時点で400店舗以上の運営を行っているが、将来的には600店舗の運営を目指している。店舗数に関しては毎年のように増え続けているため、600店舗達成もそう遠くはないと予想される。
また、日高屋を運営するハイデイ日高は1999年2月期から2018年の2月期まで19年間連続で前期比増収を達成しているほか、2004年の2月期から2018年の2月期まで15年連続で過去最高営業利益を更新し続けている。
営業利益率に関しては、多くの外食産業が10%を下回る数字を記録している中、ハイデイ日高は安定して11%台をキープしている。数ある外食産業の中で営業利益率が10%を超えている企業は少ないためハイデイ日高がいかにすごいのかということが理解できる。
これらの好調の背景にはすでに紹介してきたように、日高屋の店舗戦略があげられる。駅前の一等地の1階という好立地への出店、安くて美味しいメニュー、深夜営業など、利用者のニーズをしっかりと汲み取って、店舗運営に反映しているのだ。
また、東証一部上場を果たしたことによって社会的な信用も高くなり、駅前の高い土地代をカバーできるだけでの資金調達力も鍛えられていると考えられる。
今も店舗数は増加し続けているため、まだまだ企業として大きく成長していくことが予想される。