
「今日は本当に本当にありがとう」
この日、KEYTALKは何度も感謝の言葉を東西南北向けて伝えた。9月8日、KEYTALK史上最大規模となるワンマンライブ『ド真ん中で頑張マッセ~shall we dance?~』が幕張メッセ国際展示場9-11ホールで開催された。

会場の照明が突如暗転すると、マントを羽織った人物が客席からステージに上がり不気味にステージを練り歩く。雷とともにマントの人物が消えると、中央ステージに寺中友将(Vo./Gt.)、首藤義勝(Vo./Ba.)、小野武正(Gt./MC/Cho.)、八木優樹(Dr./Cho.)が登場。1万4,000人の歓声とともに爆発音があがると、「暁のザナドゥ」から勢いよくライブをスタートさせた。ステージの上、360度に貼り付けられた複数のモニターに“死角なし”で映し出されたメンバーは、圧巻のパフォーマンスを見せつけ、会場を盛り上げる。巧みな映像使いやエンターテイナーぶりを発揮した。「YURAMEKI SUMMER」では小野がギターソロで花道に出ると、ビートにあわせて満杯の客席は早くも熱気を帯びていく。ジャンプで始まった「Love me」で会場を揺らし、「セツナユメミシ」で和をモチーフにしたグラフィック映像とのコラボステージで観客を魅了した。


『下北沢から来ました、KEYTALKです!』と小野が紹介し、続いて八木が『めっちゃ楽しい! 後ろ向きながら演奏していたからめっちゃ首痛い(笑)』と嬉しさをあらわに。『北! 南! 西! 東(あづまー!)』と首藤からコール&レスポンスが投げかけられたところで、寺中の『夏のまぼろし作りませんかー!』と掛け声のもと「MABOROSHI SUMMER」へなだれ込んだ。小野が演奏しながら軽やかにステージを駆け回るなど、大きな会場で観客と一体となって遊ぶ姿も印象強く残っている。
中盤ではアコースティック編成に挑戦。インディーズ時代には下北沢のBARでアコースティックライブをやっていた頃もあったというが、メジャー後のワンマンライブでは初の試みとのこと。「summer tail」の演奏が始まると、ゆっくりとステージが回転しだし、全方位に向けて彼らの演奏が届けられる。八木と小野は時折アイコンタクトを取ったり、笑顔になりながら演奏している姿が見られ、彼ら自身もアコースティックライブを楽しんでいるようだ。続いて「プルオーバー」を演奏。普段のアグレッシヴなダンスロックとはひと味ちがう、美しいメロディと報われない恋心を歌った儚いリリックが優しく耳に染みわたった。

後半ではしっとりとした雰囲気から180度変わり、KEYTALK節が炸裂する。「Cheers!」では『今日ここでミュージックビデオの撮影をします!(小野)』というサプライズ発表がされ、演奏が始まるとたくさんの巨大な黄色い風船が客席に投下。C.C.レモンオリジナルソングということで、炭酸を彷彿させるような、シュワシュワはじけるように会場を彩った。続いて、観客全員に事前に配布されていた“パリピメガネ”で埋め尽くされたパーティーチューン「Summer Venus」では、首藤から『みんなチャラいね~』とお墨付き(?)をもらうほど、クラブさながらの盛り上がりを見せた。さらに、“おみこしくん”というキャラクターに扮した小野が登場し、披露されたライブの定番ソング「MATSURI BAYASHI」を届け、本編を締めくくった。



アンコールでは「トラベリング」と「Monday Traveller」をプレイし、最後に記念撮影。

撮影/後藤壮太郎・木村泰之
<セットリスト>
01 暁のザナドゥ
02 YURAMEKI SUMMER
03 Love me
04 セツナユメミシ
05 バミューダアンドロメダ
06 テキーラキラー
07パラレル
08 MABOROSHI SUMMER
09 zero
10 wasted
11 ミッドナイトハイウェイ
12 ロトカ・ヴォルテラ
13 S.H.S.S.
14 雨宿り
15 Siesta
16 黄昏シンフォニー
17 summer tail
18 プルオーバー
19 Cheers!
20 東京シネマ
21 アオイウタ
22 コースター
23 桜花爛漫
24 Rainbow road
25 fiction escape
26 Summer Venus
27 MATSURI BAYASHI
EN01 トラベリング
EN02 Monday Traveller
EN03 MONSTER DANCE