
■【SHOTA SHIMIZU LIVE TOUR 2018 “WHITE”】レポート
2018.09.10(MON) at 日本武道館
今年6月に発売した最新アルバム『WHITE』を携え、7月3日のZepp Nagoya公演から始まった清水翔太の全国ツアー『SHOTA SHIMIZU LIVE TOUR 2018 “WHITE”』が、9月17日に行われた大阪城ホール公演をもって幕を閉じた。筆者はセミファイナルとなった日本武道館2Days公演の初日(9月10日)を鑑賞。
ライブは『WHITE』の1曲目「dance with me.」を使用したショートムービーからスタート。ステージに主役は不在ながら、客席のあちこちから曲を一緒に歌う声が大きく上がり始め、次第に会場が熱を帯びていく。すると、バックライトに照らされた翔太がステージ中央に神々しく登場。そこでたった一言、「武道館! Are You Ready!」と放っただけで、一瞬にして客席の温度が上昇。すぐさまステージからパーッと立ちのぼったまばゆいばかりのホワイトライトが会場のスケール感を浮かび上がらせ、同時に観客の浮き立つ気持ちをグングン高まらせていく。しかも、本編の始まりを告げるトロピカルハウス調のパーティーチューン「Friday」はド迫力の音圧。ドラムやベースの低音もブリブリで武道館は瞬く間に巨大なクラブ空間へと変貌した。

続く「Sorry Not Sorry」では、翔太の伸びやかでソウルフルなボーカルと、この上なくタイトなバンドサウンドで会場をひとつに。その一体感に圧倒された翔太はたまらず「武道館やばいよ! 今までで最高な武道館になりそうな気がする。みんな俺に歌声を聞かせてくれ!」とシャウト。
興奮のるつぼと化した客席に向け、翔太は「武道館! こんなに盛り上がってるの初めてじゃねぇか? 俺の中から100%以上の力が湧き上がってきてるのを感じてる。だから今日は俺、ヤバいライブをすると思う!」と宣言。ライブ定番曲「君が好き」のイントロでは、「今日はみんなと俺との愛を確かめ合う日! 聞かせてくれよ、武道館!」と煽動し、曲のほとんどを観客が大合唱するという翔太ライブ恒例の光景がこの日も見られた。

『WHITE』に収録された「(I'm fine)」で熱気を少しクールダウンさせたあとは、「俺を孤独じゃなくさせるもの。それはみんなの存在」と伝えて「alone」へ。自分のパートを歌い終えたところで、「もうひとつ。俺を孤独じゃなくさせるもの。それは仲間! 俺の最高の仲間を紹介するぜ!」と声を上げると、スペシャルゲストのSALUが登場。SALUは内に秘めた情熱を感じさせるパフォーマンスでライブに華を添え、「孤独な俺たちが音楽できる理由は、生きていられる理由は、みんながいるからだよ」とメッセージ。大きな拍手に送られてステージをあとにした。
一呼吸置いたのち、「本気で歌っちゃうよ」と発してから披露されたジャジーな「Feel Good」では、「アァオ!」いう官能的なハイトーン・シャウトを幾度も繰り出し、観客を魅了。
その後のMCでは、インスタやTwitterを自分なりのペースでやっていることに触れ、次曲の「I'm in love」について「SNSにアップしたところ、みんなの反応が良くて作った曲。みんなのおかげで世に出た曲」と紹介。「自分でも気に入る曲を作らせてくれてありがとう」と伝えてから、アコースティックギター1本の伴奏で、ファンへの感謝が届くよう丁寧に歌い紡いだ。同曲を聞き入って静まりかえった客席に向けて披露されたのは美麗な小曲「Range Rover」。今度はイノセントな歌声で観客を幻想的な世界に引き込んでいった。

続くMCでは、「武道館くらいの大きな会場だと不安になることもあるんだけど」というフリから「でも今日は何にも怖くない。(だって)みんなと繋がってる感じがするんだよね。あはは」と照れ笑い。「俺たち今、すごくいいよね? 付き合って5日目くらいの、“俺よかった、この子選んで”みたいな感じがするもん!(笑)」と嬉しさを滲ませた。
その後、SNSを使うようになって、ナチュラルな自分になれた、それが音楽作りにも良い影響を与えていると話した翔太は、自分のスマホで客席と一緒に写真を撮ってSNSにアップすることを提案。スタッフがスマホを取りにいく間、予定になかった「ナツノオワリ」を歌う嬉しいハプニングもあった。同曲を歌い終えたところでスマホが到着し、スタッフがステージを走る翔太の姿と会場の様子を動画で撮影。その場で翔太がインスタにアップした動画をライブ後に改めてチェックしたファンも多いことだろう。
そうしたフレンドリーなやりとりで客席の空気を暖めたところで、ライブは後半のラストスパートへ。「マダオワラナイ」「Get Back」のダンサブルなメドレーを繰り出したあとは、EDM/ハウス調の「sonomama」で場内をさらにヒートアップ。そして、<孤独><繋がり>をテーマにしていたように思うこの日の本編ラストでは、♪隣には you そして good friends 一緒ならずっと笑えるって♪と歌われる「Good Life」をパフォーマンス。観客の大合唱が響き渡り、銀テープも噴射されて大いに盛り上がる中、翔太はいったんステージをあとにした。


大きな拍手で迎えられたアンコールは、翔太が白いギターを抱えて登場。そのギターで作ったという「Beautiful」からスタートした。その後のMCでは、「みんなのことを家族みたいに大事に思ってるし、愛おしく思っているし、もっともっとずっとこうしていたい。来年も再来年も5年後も10年後も20年後も武道館でみんなと一緒に時間を過ごせたらいいと『Beautiful』を歌いながら切実に思った。
「もし俺に音楽の才能が宿っているとしたら、その音楽の才能を大人達のために使うつもりはない。自分のために使うつもりもない」と宣言し、「今、俺が自分の好きなことをやれているのは、今の俺を見てくれているみんな、これまで応援してくれたみんながいるからこそ。だから、俺はみんなの好きな清水翔太であり続けたいと思うし、そのために俺の才能を今見てくれているみんなのためにしか使わない。そうあるべきだと今日確信した」と力強く誓った。

そして、目の前のファンに向け、♪時にWHITE どんなに汚れても君の前じゃWHITE そこで聞いてておくれよ、少しだけ♪と歌う、翔太のインスタのみで公開されている「WHITE」を披露。続けてファンとの理想の関係を吐露した「キミノセカイヘ」をソウルフルに歌い上げ、最後はアルバム『WHITE』でもラストの曲「RAINBOW」を語りかけるように歌唱した。
「RAINBOW」のサビに出てくるのは、♪明日の僕が今日の僕を責めないで済むように精一杯、生きてみたいんだ♪というフレーズ。自前の楽曲を通して、武道館を埋め尽くしたファンに、ここからまた力強く前進していくことを真摯に伝え、清水翔太のライブは幕を閉じた。
(取材・文/猪又 孝)

≪ツアー情報≫
【SHOTA SHIMIZU LIVE TOUR 2018 “WHITE”】
2018年10月31日(水)北陸電力会館 本多の森ホール ※金沢振替公演
≪イベント概要≫
【abn SUPER LIVE 2018】
2018年12月15日(土)ホクト文化ホール 大ホール
出演:清水翔太、THE RAMPAGE from EXILE TRIBE、 ベリーグッドマン、他

清水翔太 オフィシャルサイト
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