BUCK-TICKが、10月13日よりスタートした全国ツアー『TOUR No.0 - Guernican Moon -』の東京公演を11月10日(土)三日月の夜、豊洲PITで行った。
このツアーはアルバム『No.0』を携えた、全国19ヶ所21公演のスタンディングツアー。
例えば「光の帝国」での手拍子のシンクロ具合や、「GUSTAVE」での猫の手ダンスの狂乱ぶりはホールツアーからさらにパワーアップしていたし、メンバーの一挙手一投足に反応する歓呼の声はより高らかで、レポートする者として平静を保とうとするも、どうにも心が踊る。ヤガミ・トール(Dr)の抑揚のあるドラミングや、樋口豊(Ba)の歌うようなベースラインがグルーヴを生み、エッジの効いた星野英彦(Gt)のギターリフと、ノイジーかつエモーショナルな今井寿(Gt)のギターサウンドが絡み合い、会場の高揚感をさらに引き上げる。そして、ホールツアーでは楽曲を演出する映像や照明の中で演じるように歌っていた櫻井敦司(Vo)の表現力はより洗練され、情感豊かなヴォーカルと、よりアグレッシヴになったパフォーマンスだけで、映像的と言われる『No.0』の世界をシンプルなステージ上で体現してみせた。
ツアーはまだ中盤のため詳細は控えるが、『No.0』のナンバーを中心にセレクトされた今回のセットリストは、ツアータイトルにもある“月”が一つのキーワードになっているようだ。「BABEL」では気高き愚者の咆哮を、「Moon さよならを教えて」では今にも消えそうな儚い命を表現する彼らのパフォーマンスを見守るように“月”が登場している。月の満ち欠けと人の生死は、古来より様々な形で関連づけられ表現されてきた。それは、ダイナミックなサウンドで生命の誕生を感じさせる「零式13型「愛」」で始まり、むき出しの感情で最期に愛を叫ぶ「胎内回帰」で終わる『No.0』の“愛と死”の循環と、まさにリンクしているように思える。そしてシリアスに偏ることなく、“生への歓び”に昇華しているところが、今回のツアーの肝ではないだろうか。言葉は違えど、このツアーの各所で櫻井が口にしている「みなさん、幸せになってください」という想いもまた、心に残る。
本公演は12月22日(土)京都・KBSホールまで続き、下弦の月が輝く12月29日(土)には『TOUR No.0 -FINAL-』と題した東京・日本武道館公演が開催される。ぜひ、この歓びに満ちた至高の時間を一緒に体感してほしい。
(取材・文/大窪由香)
≪ツアー情報≫
【TOUR No.0 - Guernican Moon -】
2018年11月23日(金・祝)大阪・Zepp Osaka Bayside
2018年11月24日(土) 大阪・大阪なんばHatch ※ファンクラブ会員限定
2018年12月1日(土) 広島・BLUE LIVE広島
2018年12月2日(日) 香川・高松festhalle
2018年12月8日(土)東京・Zepp DiverCity(TOKYO) ※ファンクラブ会員限定
2018年12月9日(日)東京・Zepp DiverCity(TOKYO)
2018年12月15日(土) 福岡・福岡DRUM LOGOS ※ファンクラブ会員限定
2018年12月16日(日)福岡・Zepp Fukuoka
2018年12月20日(木)熊本・熊本B.9 V1
2018年12月22日(土)京都・KBSホール
【TOUR No.0 -FINAL-】
2018年12月29日(土)日本武道館
≪番組情報≫
LINE LIVE
「6時のラジオ 番外編 BUCK-TICK 『THE DAY IN QUESTION 2017』スペシャル」
配信日時:2018年11月20日(火)19時~
チャンネル:ビクターエンタテインメントチャンネル
番組URL:https://live.line.me/channels/520/upcoming/9978349
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