2018年もあとわずか。毎年この時期になると「年間アルバムランキング」や「今年ブレイクしたアーティスト」など、ランキング形式にして今年の振り返りを行ったり、総まとめとして一覧にしたがる人が激増するが、例に漏れず私もそのうちのひとりである。
というわけで、音楽を数字で見ていく本連載、今回は「2018年、フェスに一番出演したアーティストは誰か?」ランキングをお届けしたい。
なお、これだけ音楽に関するランキングがあふれているのに、なぜか「フェス出演数ランキング」はほぼ見かけず、長年気になっていたが、やってみてわかったのは、どう考えても面倒すぎるからだった。まず、今回調査対象にした主要なロック系フェスは全部で59個ある。
主要フェスだけでもこんなにあるのに、アーティスト数ともなれば、さすがにケタ違いに数が増える。そんなわけで、今回集計したアーティストは全部で1,463組にものぼってしまった。日本で主要フェスに出演できるアーティストがこんなにもいることが衝撃だ。
なお、今回は同じフェスに連日出演した場合も「出演数1回」とし、個人での出演とグループ出演は分けてカウントしている。たとえば「忘れらんねえよ」のボーカル・柴田隆浩は「忘れらんねえよ」本体と同じぐらいフェスに出演しまくっていたが、これも累計ではなく、個人とグループにそれぞれ分けてカウントさせてもらっている。
では、早速ランキングを……と言いたいところだが、ランキングを見る前に「そもそもフェスって、年間で何回ぐらい出るものなのか?」を見ておこう。そうでないと、上位アーティストの出演数が、多いのか少ないのかピンと来ないからだ。
今回の1,463組のアーティストの平均フェス出演数は、ずばり「2.13回」である。
もっと言えばうち965組、つまり約65%のアーティストは、年間通して1回だけの出演である。
・1位 HEY-SMITH 20回
・2位 04 Limited Sazabys 18回
・3位 四星球/フレデリック 17回
・4位 THE ORAL CIGARETTES/KEYTALK 16回
・5位 キュウソネコカミ 15回
1位の HEY-SMITH 、尋常じゃなく出まくっている。日本のアーティストの平均出演数のほぼ10倍、こちらが心配になるぐらい2018年の HEY-SMITH は働いていた。
正直、ランキング集計をしている時から薄々「これもう1位はヘイスミとフォーリミの一騎打ちだわ...」と思っていたが、ふたを開ければ HEY-SMITH が 04 Limited Sazabys をわずかに引き離しての優勝だった。これを祝してぜひ HEY-SMITH の皆様には「2018年日本一のフェスバンド」の名を送りたい。
ちなみに、HEY-SMITH は日本一フェスに出演しながら、自分たちでも「HAZIKETEMAZARE FESTIVAL」というフェスを主催するという、恐ろしいバイタリティを誇るバンドだ。惜しくも次点となった 04 Limited Sazabys も「YON FES」という自分たちの主催フェスを開催しており、四星球も「四星中学校文化祭」というフェスを主催している。さすが約1,500組のアーティストの上位に立つだけあって、どのバンドも心の底からフェスが好きなんだろうな、というのが伝わってきて嬉しい限りである。
なお、フェスバンド四天王(HEY-SMITH・04 Limited Sazabys・四星球・フレデリック)のうち、自らフェスを主催していないのが逆にフレデリックだけだった。
反対に「フェスになかなか出てないバンド」の方も挙げておくと、最もわかりやすいのは、BUMP OF CHICKENの「1回」である。比べるようなものでもないが、HEY-SMITHと実に20倍の開きがある。また、個人的に意外だったのは、WANIMA、ねごともフェス出演が1回にとどまっていたことだ。
また、上記のランキングとは別に、季節別のフェス出演数も出してみた。
春フェス王者:HEY-SMITH、四星球
(次点:Dizzy Sunfist, アルカラ, キュウソネコカミ)
夏フェス王者:coldrain、THE ORAL CIGARETTES
(次点:04 Limited Sazabys, フレデリック)
秋フェス王者:04 Limited Sazabys
(次点:KEYTALK)
名だたるフェスバンドをおさえて、激戦の「夏フェス」枠を制したのは、coldrainとTHE ORAL CIGARETTESの2組だ。こちらの2組は全体ランキングでも上位に食い込んでいる、正真正銘フェスバンドである。(そしてHEY-SMITH以下、フェスバンド四天王も強すぎる...)
それ以外のラインナップも、どれも飛ぶ鳥を落とす勢いのバンドが並んでおり、2018年のフェスシーンは、往年のロックスターよりも、新進気鋭のバンドの活躍が目立った年と言えそうだ。
最後に「2018年 ロックフェス出演数ランキング」のTOP100を出しておく(正確にはTOP113ランキング)。あなたのお気に入りのバンドがいるか、ぜひチェックしてみて欲しい。去る2018年もたくさんのフェスが開催されたが、また来年も同じように、いろんな場所でいろんなフェスと音楽を楽しめる年になれることを祈っている。
1位 HEY-SMITH
2位 04 Limited Sazabys
3位 フレデリック/四星球
4位 KEYTALK/THE ORAL CIGARETTES
5位 キュウソネコカミ
6位 coldrain/SUPER BEAVER/ヤバイTシャツ屋さん
7位 Nulbarich/yonige
8位 BRAHMAN/My Hair is Bad/Saucy Dog/SiM/アルカラ/フレンズ/打首獄門同好会
9位 10-FEET/BLUE ENCOUNT/Dizzy Sunfist/SIX LOUNGE/TOTALFAT/ストレイテナー/ポルカドットスティングレイ
10位 Base Ball Bear/CHAI/go!go!vanillas/MAN WITH A MISSION/MONOEYES/NICO Touches the Walls/SHANK/teto/オメでたい頭でなにより/夜の本気ダンス/魔法少女になり隊
11位 BiSH/dustbox/EGO-WRAPPIN'/Fear, and Loathing in Las Vegas/GLIM SPANKY/GOOD4NOTHING/MOROHA/never young beach/POT/ROTTENGRAFFTY/SHE'S/Survive Said The Prophet/THE BACK HORN/エレファントカシマシ/クリープハイプ/バックドロップシンデレラ/パノラマパナマタウン/ハルカミライ/雨のパレード/小袋成彬
12位 Creepy Nuts/Crossfaith/DJライブキッズあるあるの中の人/G-FREAK FACTORY/GRAPEVINE/Ivy to Fraudulent Game/KANA-BOON/King Gnu/ORANGE RANGE/ReVision of Sence/THE BAWDIES/あいみょん/サカナクション/竹原ピストル
13位 9mm Parabellum Bullet/ASIAN KUNG-FU GENERATION/BRADIO/cinema staff/Czecho No Republic/DATS/ENTH/locofrank/NAMBA69/Official 髭男dism/SOIL & "PIMP" SESSIONS/SPECIAL OTHERS/SPYAIR/sumika/the band apart/The BONEZ/あゆみくりかまき/おいしくるメロンパン/ハナレグミ/レキシ/岡崎体育/東京スカパラダイスオーケストラ/藤原さくら
14位 ACIDMAN/Amelie/Bentham/BIGMAMA/DJダイノジ/FOMARE/Hump Back/KOTORI/LOW IQ 01/Northern19/SUNNY CAR WASH/WOMCADOLE/Xmas Eileen/Yogee New Waves/きゃりーぱみゅぱみゅ/ハンブレッダーズ
■まいしろ
社会の荒波から逃げ回ってる意識低めのエンタメ系マーケターです。音楽の分析記事・エンタメ業界のことをよく書きます。
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というわけで、音楽を数字で見ていく本連載、今回は「2018年、フェスに一番出演したアーティストは誰か?」ランキングをお届けしたい。
なお、これだけ音楽に関するランキングがあふれているのに、なぜか「フェス出演数ランキング」はほぼ見かけず、長年気になっていたが、やってみてわかったのは、どう考えても面倒すぎるからだった。まず、今回調査対象にした主要なロック系フェスは全部で59個ある。
2018年に開催された主要(ロック系)フェス(C)エキサイトミュージック
主要フェスだけでもこんなにあるのに、アーティスト数ともなれば、さすがにケタ違いに数が増える。そんなわけで、今回集計したアーティストは全部で1,463組にものぼってしまった。日本で主要フェスに出演できるアーティストがこんなにもいることが衝撃だ。
なお、今回は同じフェスに連日出演した場合も「出演数1回」とし、個人での出演とグループ出演は分けてカウントしている。たとえば「忘れらんねえよ」のボーカル・柴田隆浩は「忘れらんねえよ」本体と同じぐらいフェスに出演しまくっていたが、これも累計ではなく、個人とグループにそれぞれ分けてカウントさせてもらっている。
では、早速ランキングを……と言いたいところだが、ランキングを見る前に「そもそもフェスって、年間で何回ぐらい出るものなのか?」を見ておこう。そうでないと、上位アーティストの出演数が、多いのか少ないのかピンと来ないからだ。
今回の1,463組のアーティストの平均フェス出演数は、ずばり「2.13回」である。
もっと言えばうち965組、つまり約65%のアーティストは、年間通して1回だけの出演である。
なかには有名なアーティストも、駆け出しのアーティストもどちらもいるが、知名度問わずフェスに何十回も出るのはかなり異例だということを、よく理解してもらった上で実際のランキングを見て欲しい。
2018年フェスに最も出演したアーティストランキング(C)エキサイトミュージック
・1位 HEY-SMITH 20回
・2位 04 Limited Sazabys 18回
・3位 四星球/フレデリック 17回
・4位 THE ORAL CIGARETTES/KEYTALK 16回
・5位 キュウソネコカミ 15回
1位の HEY-SMITH 、尋常じゃなく出まくっている。日本のアーティストの平均出演数のほぼ10倍、こちらが心配になるぐらい2018年の HEY-SMITH は働いていた。
正直、ランキング集計をしている時から薄々「これもう1位はヘイスミとフォーリミの一騎打ちだわ...」と思っていたが、ふたを開ければ HEY-SMITH が 04 Limited Sazabys をわずかに引き離しての優勝だった。これを祝してぜひ HEY-SMITH の皆様には「2018年日本一のフェスバンド」の名を送りたい。
ちなみに、HEY-SMITH は日本一フェスに出演しながら、自分たちでも「HAZIKETEMAZARE FESTIVAL」というフェスを主催するという、恐ろしいバイタリティを誇るバンドだ。惜しくも次点となった 04 Limited Sazabys も「YON FES」という自分たちの主催フェスを開催しており、四星球も「四星中学校文化祭」というフェスを主催している。さすが約1,500組のアーティストの上位に立つだけあって、どのバンドも心の底からフェスが好きなんだろうな、というのが伝わってきて嬉しい限りである。
なお、フェスバンド四天王(HEY-SMITH・04 Limited Sazabys・四星球・フレデリック)のうち、自らフェスを主催していないのが逆にフレデリックだけだった。
反対に「フェスになかなか出てないバンド」の方も挙げておくと、最もわかりやすいのは、BUMP OF CHICKENの「1回」である。比べるようなものでもないが、HEY-SMITHと実に20倍の開きがある。また、個人的に意外だったのは、WANIMA、ねごともフェス出演が1回にとどまっていたことだ。
もちろん、レコーディングやワンマンなどほかの活動も楽しみなのだが「フェスにもっと出て欲しい!」というのもファンのわがままな本音である。
また、上記のランキングとは別に、季節別のフェス出演数も出してみた。
2018年フェスに最もアーティストランキング-季節別 ver-(C)エキサイトミュージック
春フェス王者:HEY-SMITH、四星球
(次点:Dizzy Sunfist, アルカラ, キュウソネコカミ)
夏フェス王者:coldrain、THE ORAL CIGARETTES
(次点:04 Limited Sazabys, フレデリック)
秋フェス王者:04 Limited Sazabys
(次点:KEYTALK)
名だたるフェスバンドをおさえて、激戦の「夏フェス」枠を制したのは、coldrainとTHE ORAL CIGARETTESの2組だ。こちらの2組は全体ランキングでも上位に食い込んでいる、正真正銘フェスバンドである。(そしてHEY-SMITH以下、フェスバンド四天王も強すぎる...)
それ以外のラインナップも、どれも飛ぶ鳥を落とす勢いのバンドが並んでおり、2018年のフェスシーンは、往年のロックスターよりも、新進気鋭のバンドの活躍が目立った年と言えそうだ。
最後に「2018年 ロックフェス出演数ランキング」のTOP100を出しておく(正確にはTOP113ランキング)。あなたのお気に入りのバンドがいるか、ぜひチェックしてみて欲しい。去る2018年もたくさんのフェスが開催されたが、また来年も同じように、いろんな場所でいろんなフェスと音楽を楽しめる年になれることを祈っている。
「2018年 ロックフェス出演数ランキング」TOP100(C)エキサイトミュージック
「2018年 ロックフェス出演数ランキング」TOP100(C)エキサイトミュージック
「2018年 ロックフェス出演数ランキング」TOP100(C)エキサイトミュージック
1位 HEY-SMITH
2位 04 Limited Sazabys
3位 フレデリック/四星球
4位 KEYTALK/THE ORAL CIGARETTES
5位 キュウソネコカミ
6位 coldrain/SUPER BEAVER/ヤバイTシャツ屋さん
7位 Nulbarich/yonige
8位 BRAHMAN/My Hair is Bad/Saucy Dog/SiM/アルカラ/フレンズ/打首獄門同好会
9位 10-FEET/BLUE ENCOUNT/Dizzy Sunfist/SIX LOUNGE/TOTALFAT/ストレイテナー/ポルカドットスティングレイ
10位 Base Ball Bear/CHAI/go!go!vanillas/MAN WITH A MISSION/MONOEYES/NICO Touches the Walls/SHANK/teto/オメでたい頭でなにより/夜の本気ダンス/魔法少女になり隊
11位 BiSH/dustbox/EGO-WRAPPIN'/Fear, and Loathing in Las Vegas/GLIM SPANKY/GOOD4NOTHING/MOROHA/never young beach/POT/ROTTENGRAFFTY/SHE'S/Survive Said The Prophet/THE BACK HORN/エレファントカシマシ/クリープハイプ/バックドロップシンデレラ/パノラマパナマタウン/ハルカミライ/雨のパレード/小袋成彬
12位 Creepy Nuts/Crossfaith/DJライブキッズあるあるの中の人/G-FREAK FACTORY/GRAPEVINE/Ivy to Fraudulent Game/KANA-BOON/King Gnu/ORANGE RANGE/ReVision of Sence/THE BAWDIES/あいみょん/サカナクション/竹原ピストル
13位 9mm Parabellum Bullet/ASIAN KUNG-FU GENERATION/BRADIO/cinema staff/Czecho No Republic/DATS/ENTH/locofrank/NAMBA69/Official 髭男dism/SOIL & "PIMP" SESSIONS/SPECIAL OTHERS/SPYAIR/sumika/the band apart/The BONEZ/あゆみくりかまき/おいしくるメロンパン/ハナレグミ/レキシ/岡崎体育/東京スカパラダイスオーケストラ/藤原さくら
14位 ACIDMAN/Amelie/Bentham/BIGMAMA/DJダイノジ/FOMARE/Hump Back/KOTORI/LOW IQ 01/Northern19/SUNNY CAR WASH/WOMCADOLE/Xmas Eileen/Yogee New Waves/きゃりーぱみゅぱみゅ/ハンブレッダーズ
■まいしろ
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