
――日本でのリリースは、約3年ぶり。ボーカルのフェスンさんは、『PRODUCE101 シーズン2』出演後、2017年6月に加入したので、日本で初めてのリリースです。
フェスン:緊張は……、しませんでした。その時はただ「頑張らなきゃ!」って気持ちしかなくて。
――大物ですね(笑)。フェスンさんが加入して、ラップ&ボーカルのスンヒョプさんとの2ボーカル体制になりましたが、こういうスタイルのバンドってあまりいないですよね。
スンヒョプ:そうですね。僕とフェスンの声のカラーが全然違うので、表現できる音楽の幅が広がりました。
フン:声質も違うけど、スンヒョプさんはリズム、フェスンはメロディに強いボーカリストだから、そういう意味でも幅が広がっていますよね。
ジェヒョン:うん、ぜんぜん違うスタイルのボーカリストだけど、ドラムの僕がいる後ろから見てると、トリハダが立つときがあるんです。ある瞬間、二人のタイミングがバチっと合う……、そういうシンクロする瞬間っていうのが最近増えてきていて。それを感じると、ゾクゾクってなる(笑)。
スンヒョプ:なんというか……、フェスンが入ってから、限界がなくなった気がするんですよね。
――そんなフェスンさんが加入して、日本1stアルバム『BROTHERHOOD』が5月22日にリリースされました。これまでのN.Flyingは、作家さんの曲を歌ってきましたが、このアルバムでは全曲にメンバーが作詞や作曲で参加しています。今作を自作曲にした理由は?
スンヒョプ:日本で「BASKET」という曲をインディーズでリリースしてから、6年が経ちました。経験も積んだし、『BROTHERHOOD』は僕たちにとって初めてのフルアルバムだし、自分たちの話……、等身大のメッセージを入れるべきだと思ったんです。
――なぜ『BROTHERHOOD』というアルバムタイトルに?
スンヒョプ:N.Flyingを昔から見てきたスタッフさんが、「君たちは、家族みたいだね」って言ってくれたんです。それで、兄弟愛とか兄弟の絆を意味するこのタイトルを思いつきました。
ジェヒョン:うん、僕たちにとってはすごく意味のある言葉なんです。
――『BROTHERHOOD』のリード曲が「Stand By Me」というタイトルなのも「なるほど!」ですね。
スンヒョプ:はい。「Stand By Me」は僕が歌詞を書いたのですが、家族、友達、兄弟、恋人、愛しい人と支えあっていこう、辛いことがあっても前向きに行こうという気持ちを込めました。
フン:切ることができない鋼のような関係だよね。
スンヒョプ:この曲は、今の僕たち自身のストーリーなんです。N.Flyingには良い日もあったけど、悪い日もあった。上がったら下がるでしょ? そんな時には、絶望を感じたこともあったし……。でも、それを繰り返してきたからこそ、これからも前向きになれるし、力が出せるっていうことを皆さんに伝えたかったんです。だからこの曲を昨年12月の日本でのライブで初めて歌った瞬間、涙が出ちゃったんです。僕たち自身に響きまくっちゃって(笑)。
ジェヒョン:ずっと応援してくれているファンの方たちも、泣いてくれてました。きっと、僕たちの気持ちとシンクロしたんじゃないかな?
スンヒョプ:あんなに幸せな気持ちになったのは初めてでした。幸せすぎて涙が出るなんて……。
――2019年は、4人体勢での韓国活動からスタートしました。そして、苦難を乗り越えた再出発の楽曲「Rooftop」が大ヒット。『BROTHERHOOD』には「Rooftop」の日本語バージョンも収録されています。
ジェヒョン:はい(笑)。僕は14歳から練習生をしていたのですが、ここまでの10年以上の歳月が走馬灯のように頭の中に浮かんできちゃって。ふと前を見たら、N.Fia(N.Flyingのファン)も泣いていて。その姿を見たら、よけいに涙が止まらなくなりました。N.Flyingのために泣いてくれる人がいるって、すごく幸せなことじゃないですか。忘れられない瞬間でした。
――「Rooftop」のヒットは、異例でしたよね。チャートが上がっていったのは音楽番組での活動が終わってから。いわゆる“逆走”して1位になったのは、リリースの1ヶ月半後でした。再度音楽番組に出演して、地上波でも1位に。その後も長期にわたって音源チャートの上位にいましたが、音源チャートって、韓国の一般大衆が聴いているリアルなチャートじゃないですか。
スンヒョプ:僕たちの音楽が、多くの方に伝わったってことですよね。「Rooftop」は同世代のカップルへの応援歌のつもりで作ったんです。でも、僕らよりも年上の方たちからも「良い曲だね」って言ってもらえて。N.Flyingらしい音楽で1位が取れたっていうことは、すごく誇らしいことだと思います。
――「Rooftop」は哀愁のあるサウンドで、歌詞も自分の昔の恋愛を思い出すような懐かしさもあって、大人世代も共感できます。この曲も昨年12月の日本のライブで初披露されましたが、初めて聴いたとき「いい曲だな~」って思いました。
スンヒョプ:実はその時のライブを韓国事務所のハン・ソンホ総括プロデューサーが見に来てくださっていたんです。それで、「すごくいい曲じゃないか。この曲で活動しよう!」ってその場で決まったんです。
フン:そう。
――わー、日本でのライブがN.Flyingの転機になったんですね。ライブといえば、6月にまた、日本ツアーが開催されます。
フン:「もっとライブしたい!」って僕たち毎日口癖のように言ってるんです(笑)。
スンヒョプ:うん、今、4人の気持ちがひとつになっていて、この一体感のままライブをやりたいんです。とにかく、今、幸せで(笑)。
――今回のツアーには、FTISLANDのジェジンさんがベーシストとして参加してくれますね。
ジェヒョン:ライブでは、ドラムとベースのコンビネーションが大事じゃないですか。ジェジン先輩は練習の時、いつも僕に合わせてくれて、本当に感謝しかないです。FTISLANDも日本ツアーや韓国でのライブがあるから、一緒に練習ができないときはジェジン先輩が「こんな感じにしたいんだけど」ってベースを録音して送ってくれるんです。そこに僕がドラムをかぶせて「こんな感じでどうですか?」ってやりとりして。
フン:N.Flyingにはベースがいません。
――ツアー、楽しみにしていますね。日本ではYouTubeチャンネルも開設しましたが、どんなコンテンツが用意されるのでしょう。
スンヒョプ:ライブに来られないファンの方もたくさんいると思うし、韓国のファンにもライブを見てほしいから、ライブの映像をたくさんアップしていく予定です。それから、フェスンのボーカリストとしての成長も記録していければと思っています。
(取材・文/坂本ゆかり)
リリース情報
Japan 1st Album
『BROTHERHOOD』
2019.05.22リリース
【初回限定盤】CD+DVD
FNCD-10005~06 / ¥4,500(税抜)
>>購入する

[収録曲]
1. The World Is Mine
2. Stand By Me
3. Pinhole
4. Wanna Be
5. Color
6. Lupin
7. Run
8. Delight
9. Rooftop -Japanese ver.-
10. Songbird
<DVD>
・Stand By Me -Music Video-
・“THE REAL IV" at TSUTAYA O-EAST 2018.12.7 ライブ映像6曲収録
[The Real / Knock Knock(Japanese ver.)/ Endless Summer / Hot Potato / HOW R U TODAY
/ ギガマッキョ(Japanese ver.)]
【通常盤】CD
FNCD-10007 / ¥3,000(税抜)
>>購入する

[収録曲]
1. The World Is Mine
2. Stand By Me
3. Pinhole
4. Wanna Be
5. Color
6. Lupin
7. Run
8. Delight
9. Rooftop -Japanese ver.-
10. Songbird
リリースイベント情報
【『BROTHERHOOD』発売記念イベント】
2019年6月3日(月)愛知・DIAMOND HALL
2019年6月5日(水)大阪・T・Bホール
2019年6月8日(土)東京・タワーレコード 渋谷店 B1F CUTUP STUDIO
■N.Flying オフィシャルサイト