
家にスズメバチの巣がつくられてしまうと、刺されるのではないかと心配になるでしょう。スズメバチは攻撃的な性格であり刺されると危険を伴うため、早期の駆除が必要です。実は凶暴なスズメバチも雨や低温などの弱点があるため、気候によって駆除しやすくなります。
この記事では、スズメバチの弱点と安全に駆除する方法を紹介していきます。スズメバチの生態や弱点を知り、的確に駆除をおこないましょう。
スズメバチは雨の日や夜のほうが駆除しやすい
スズメバチは蜂のなかでも攻撃性の高い種類とされており、蜂の巣に近づいただけで群れを成して攻撃してくるほどです。そんなスズメバチも天候や気温の変化によって、飛びにくい環境におかれることがあります。
飛びにくくなったスズメバチは通常時よりも速度が落ち、飛距離も大幅にダウンします。そのため、襲い掛かってくる蜂の量が減ったり動きが鈍くなってしまうため、駆除がしやすくなるのです。駆除を検討されているかたは、環境のポイントを押さえておきましょう。

スズメバチは雨が降るとうまく飛べなくなる
スズメバチは基本雨の日に見かけることは少ないとされています。なぜなら、スズメバチは水にぬれることを嫌がるからです。スズメバチの羽根は、普段時速30~40kmほどの速さで飛ぶことができるしくみになっています。
しかし羽根が雨などによって水にぬれてしまうと、スピードは激減してうまく飛べなくなります。そのため、スズメバチの巣も水にぬれることがない乾燥した場所につくられていることが多いようです。雨が多い梅雨の時期を狙って、駆除を試みるのもよいでしょう。
スズメバチは夜になると行動が鈍くなる
スズメバチは夜になると、行動が鈍くなる傾向にあります。これは蜂の視力が原因とされています。蜂の視力はとても悪く、とくに暗闇のなかでは何も見えていません。そのため多くの蜂は巣に戻り、夜に外で飛びまわることはほとんどありません。
スズメバチの種類によっては夜でも活動するものや攻撃的になるものもいるため、夜だからと油断しないようにしましょう。
スズメバチは気温の低い日や冬~春先に駆除するのもおすすめ
スズメバチを駆除するには、適した気温や季節があります。それはスズメバチの生態と1年の生活サイクルに大きく関係しています。
スズメバチは気温が低いと行動が鈍くなる
スズメバチは気温が低い環境をあまり好みません。スズメバチが分類される昆虫類は変温動物であり、自ら体温調節することができないのです。そのため、外部の気温が15℃以下になると動きが鈍くなる傾向があります。
さらに10℃以下の環境では動くことすらままならないといった状況です。そのため、気温が下がりやすい冬の時期に駆除を試みると刺される危険性が低くなるでしょう。

スズメバチは冬~春先の時期は数が少ない
スズメバチの数は1年のなかで大きく増減します。なぜならスズメバチは、女王蜂・オス蜂・働き蜂から構成されていますが、冬の寒さに耐えることができるのは女王蜂のみだからです。多くの働き蜂やオス蜂は冬を迎え、死んでしまいます。また冬を越す女王蜂も寒い時期は冬眠しているため、攻撃してくることはほとんどありません。
春先に冬眠から目覚めたばかりの女王蜂は再び巣作りを始めます。この時期は巣に女王蜂のみ、もしくは数匹で構成しているだけなので攻撃力も低いと考えてもよいかもしれません。反対にある程度巣が出来上がってくる7~9月は蜂の量も増え、性格も狂暴化しています。この時期の駆除は最もリスクが高いと考えられるので、おすすめできません。
このように蜂の量が少ない時期を見はからって駆除するのも、安全に駆除をするコツなので覚えておきましょう。
自分でスズメバチを駆除するときの手順をチェック
どんな蜂も駆除する道具をしっかりと準備して、正しい方法でおこなうのが重要です。とくにスズメバチは蜂のなかでも大変凶暴だとされていて、より万全の対策が必要です。蜂に刺されてケガをしないように、駆除に関する知識を身につけておきましょう。
駆除の手順(1) 巣の状態を確認する
自分でスズメバチを駆除するには、しっかりと状況を確認してからおこないましょう。前提として、その巣が本当に自分で駆除できるのかという判断をしなくてはなりません。判断を間違えると大きな人的被害につながってしまいます。その基準とされるのが巣の大きさ、巣の場所、蜂の量です。
自分で駆除ができる蜂の巣の大きさは約10~15cmまでとされています。この大きさの巣はまだ作りはじめの巣である可能性が高く、ほぼ女王蜂のみで構築しています。巣も主要部分が露出して無防備になっていることが多いため、自分で駆除できる範囲といえるでしょう。
また、巣がつくられている場所も確認しましょう。スズメバチは雨風を防ぎ、天敵に襲われる心配がない場所に巣をつくります。その代表的な場所が植木鉢や軒下、換気扇の内部や屋根裏などです。人の目で確認できて身長より低い植木鉢のどのような場所は、駆除しやすい場所といえます。
しかし、軒下や屋根裏などの高い場所ははしごなどを使わないと確認することができず、足場も不安定で駆除の難易度はあがります。また換気扇の内部などは工事が必要なケースもあるため、自分で駆除するのは難しいかもしれません。このようにいずれの条件が1つでも満たさない場合は業者に依頼して、駆除してもらうとよいでしょう。
駆除の手順(2) 必要な道具を用意する
スズメバチの巣が自分で駆除できそうだと判断した場合、準備をしっかりおこないましょう。準備をおろそかにすると蜂に刺されてしまうかもしれません。
【防護服、軍手、帽子、ゴーグル、長靴】
防護服はインターネットなどで購入することもできます。軍手は2枚以上重ねて保護しておきましょう。防護服は自治体で貸し出してくれることもあるので、相談してみるとよいかもしれません。着用後は肌の露出がないようにしっかりと確認してください。
【殺虫剤】
蜂の巣の駆除は1~2mほどの距離を保ちながらおこないます。そのため、噴射距離のあるスプレータイプがおすすめです。蜂専用の合成ピレロイド系のものを選ぶと即効性があります。予備として2~3本用意しておきましょう。
【巣を落とすための棒】
駆除した巣に直接触るのは危険を伴います。長い棒などを使って巣を取り除きましょう。蜂の巣と家などをつなぎ合わせている芯の部分は、頑丈なつくりになっています。棒を用意する際は、力の入るしっかりとしたものを選びましょう。
【ゴミ袋、ほうき、ちりとり】
蜂の巣や死んだ蜂を処分するために、大きめのゴミ袋を用意しておきましょう。蜂の巣や死骸などは燃えるゴミとして出すことができるので、各自治体指定のゴミ袋を用意するとよいかもしれません。
【赤いセロファンを貼った懐中電灯】
蜂の巣の駆除は夜の暗闇でおこなうことが多いので、懐中電灯を使用する場合があります。蜂は光に集まってくる習性があるため、そのまま使用すると蜂が攻撃しようと飛び掛かってきます。蜂は視力が弱く赤い色素を認識しづらいため、点灯部に赤いセロファンをつけておくことで攻撃を回避することができるでしょう。
駆除の手順(3) 巣を駆除する
多くの蜂は夜になると巣に戻り、外で活動しなくなります。そのため、蜂の駆除は基本的に完全に日が落ちてからの21~22時ごろにおこないます。暗闇での作業になるので、明るい昼のうちに巣の位置や距離などを確認しておきましょう。
準備物を手の届く範囲においたら、2~3mほど離れた位置から殺虫剤を噴射します。巣を守るために蜂が攻撃してくることもありますが決して噴射をやめないようにしてください。数分間噴射して、スズメバチが攻撃してこなくなったら1度中断します。
再び巣穴付近に殺虫剤を噴射し、すべてのスズメバチが死んだのを確認して、巣を取り除きましょう。この際、蜂の巣や蜂の死骸は、反射行動や生き残りの蜂にまだ刺される危険性があるため、直接触れないように気をつけてください。
ゴミ袋に蜂の巣や死骸を入れ、再度殺虫剤を吹きかけます。完全に蜂が死んでいるのを確認してから、燃えるごみとして捨てるようにします。
駆除の手順(4) 巣作りの予防をする
スズメバチに再び巣をつくらせないためには、蜂が嫌がる環境をつくるとよいでしょう。蜂が好んで巣をつくる環境は人間や天敵などの目につきにくく、雨風を凌げる乾燥した場所です。家の周りにこのような環境の場所がないか日常的にチェックすることで予防することができます。
蜂が好きそうな場所には殺虫剤を吹きかけておくのも効果的です。殺虫剤の効果を持続させるためにも定期的に使用しましょう。また、トラップなどを仕掛けて蜂を捕獲するのもよいかもしれません。しかし、かえって蜂を呼び寄せてしまうので人が通る場所には設置しないなど設置場所には気をつけましょう。
簡単なものでは蜂がとまることができない滑りやすいテープなどを貼って予防することもできます。自宅に合った予防策をおこないましょう。

おすすめの蜂の駆除道具をご紹介!
蜂の駆除の道具にはいろんな種類があります。とくに殺虫剤と防護服は身を守るためには欠かせないものです。予算や使用方法に合わせて選んでみましょう。
おすすめのスプレー3選
蜂の駆除をおこなうためには蜂の種類などに合った殺虫剤を選ぶ必要があります。ここでは3種類のスプレーを紹介します。
▼ハチの巣をつくらせない ハチ・アブ用ハンター 蜂駆除スプレー 510mL

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ミツバチやアシナガバチといった多数の蜂に対応している殺虫スプレーです。噴射距離も約10mと高い位置や遠い場所の蜂の巣にも対応してくれる優れものです。蜂の巣を駆除した後に吹きかけることで再び巣をつくらせないための予防となるでしょう。スプレーの効果は2週間ほど持続してくれます。
▼スズメバチにも効く ハチ・アブ用ハンターZ PRO 蜂駆除スプレー 510ml 10m噴射

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スズメバチにも対応しているこのスプレーは、従来の商品より幅広く噴射でき、短時間で蜂を駆除することができます。蜂以外にもムカデやアブなのにも効果を発揮するので万能な殺虫剤といえるでしょう。
▼業務用ハチ駆除殺虫剤 ハチダウン 1本(730ml) 強力噴射式

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大容量のこのスプレーは、基本的に駆除の最中に空になる心配がなく、続けて使用できる業務用サイズです。噴射距離は約2mと狭めですが、専用のノズル(別売)を取り付けることで高所や離れた距離にも対応することができます。
おすすめの防護服3選
全身を守るための防護服もインターネットなどで購入することができます。価格の幅が広いため、予算などに応じて選ぶとよいでしょう。
▼養蜂用 防護服 蜂防護服 養蜂 防護服 上下服 フェイスネット 手袋 3点 セット/蜂の巣 害虫 蜂 駆除 に 【Barsado】

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手頃な価格で防護服を手に入れたい方におすすめの商品です。低価格にもかかわらず、上下が揃い、手袋までついてきます。また、身長などの高低を問わず使用することができます。蜂の駆除をおこなう際は安全のため、中に生地の厚い服を着ることをおすすめします。
▼ディックコーポレーション 蜂防護服ラプター III V-1000

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価格にこだわらず、より快適に作業したい方におすすめの商品です。全身を蜂の攻撃を受けても安全なようにしっかりとガードされていますが、内側は通気性がよくするため、メッシュ生地が採用されています。さらに肌にくっつくこともなく、暑さや蒸れ防止のために保冷剤が収納できるつくりになっているのでおすすめです。
▼蜂防護服 フェイスガード付 つなぎタイプ Lサイズ

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つなぎになっているため、ファスナーひとつで素早く脱着できるのが特徴です。静電気が起こりにくい素材でつくられているので、バチバチして嫌な思いをする心配もないでしょう。色合いも白に近い柔らかい色をしているため、蜂の威嚇を軽減できます。
まとめ
スズメバチは水や気温の影響を受けて、動きが鈍くなることがあります。家やその周辺にできてしまったスズメバチの巣を自分で駆除する場合は、雨の日や寒い日を狙っておこなうのもよいでしょう。また、駆除する前には、巣の大きさや場所などから自分で駆除できるかを正しく判断しなくてはなりません。
自分で駆除するのが難しいようであれば、無理をせず業者に依頼することをおすすめします。業者に依頼することで安全に駆除することができるでしょう。駆除した後は再び巣がつくられないように、定期的に見回りや殺虫剤の散布などをおこなってください。
害虫駆除を依頼できる業者や料金
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