
竹を放置すると次第にどんどん伸び続け、数を増やしていきます。それを防ぐべく、駆除を何度もおこなったとしてもすぐに再生するため非常に厄介です。しかし、竹をそのままにしておくとさまざまな被害が出てしまうほか、近隣トラブルの原因になってしまう場合があります。
竹の駆除は、3つの方法によってより効果的に駆除することができます。再び生えないようにするためにも正しい駆除方法について手順を追って見ていきましょう。
竹の問題が深刻なのは、竹の生態にあり!
竹の駆除を試みてみたとしても、すぐに再生し伸び続けるためキリがありません。そのようなことが起こる理由は、竹がもつ特有の生態によるものが原因とされます。そこで、竹の生態や起こりうる問題について見てみましょう。
竹の生態
一般的な樹木とは異なり竹の場合は、成長するスピードが驚くほど早く、しぶとい生命力をもつ植物とされています。竹の種類のなかには、その日のうちに1m以上も成長するものも存在します。そのおそるべき成長スピードによって、あっという間に天高く伸び、次第に周囲に被害を及ぼすようになっていくのです。

生命力の面においては、竹は栄養をためておくための茎を土のなかに伸ばしています。その蓄えた栄養を新芽に与えることで、途切れることなく成長させることが可能です。それにより、何度切っても、再び生えてくるといったことが起こります。そのため、ほかの樹木に比べて駆除をするのがとても難しいとされています。
竹と笹の違い
竹と笹はよく似ている植物ですが、特徴が異なるため別の植物になります。育ちやすい環境にも差があり、竹は温暖な地域を好む場合が多いです。しかし、笹の場合は、寒い環境で育つことが多いため、地域によって見かける種類が異なるかもしれません。
大きいものが竹、小さいものが笹といったように大きさで判別もできますが、確実でないことが多いです。正確に判別するには、それぞれの葉の模様をみて、あみだもようが竹、真っすぐな線のものが笹と区別するとよいかもしれません。
竹を放置しておくと深刻な被害に
竹は、高い生命力と成長速度をもっているため、そのままにしておくと深刻な被害を及ぼす原因になってしまいます。家の周りに竹林などがある場合、放置し伸び続けた竹によって、日光が遮られてしまい日当たりが低下する原因となってしまいます。さらには、地中に地下茎を伸ばし続けることにより周囲に生える植物までも枯らしていき竹林を拡大させていきます。
また、竹の地下茎は放置すると次第に伸び続けるので、それによって他人の家の敷地内まで侵入し被害が出てトラブルに発展する可能性があるので注意が必要です。近年では、こういった竹による被害が問題視されており、竹害などと呼ばれています。
竹を駆除する方法(1) 竹を伐採する
絶え間なく伸びる竹を駆除するための一般的な方法のひとつが伐採です。竹の駆除には農薬を使うことで手早くおこなうことが可能ですが、周囲の植物へ影響が出てしまう場合や、子どもやペットが周囲に近づかないように注意が必要になります。より安全に駆除するためにも2通りの伐採方法についてそれぞれの手順を見ていきましょう。

竹を伐採する
連年皆伐式
竹を伐採する方法の1つに連年皆伐式というものがあります。皆伐とは、特定の植物を一気にすべて切ることを言います。連年皆伐式の場合、毎年同じタイミングで伐採をして、徐々に弱らせていきます。そして、弱り切って草しか生えないような状態になったら、薬剤を少し使うことで、根からきれいに取り除くことができます。
竹を伐採する場合、チェーンソーやノコギリなどの危険な道具を使用するため、周囲の状況を確認した上でしっかりと足場の状態を整えてから切るようにしましょう。そして、切った竹によるケガや事故を防止するためにも、必ず切り口が水平になるように伐採するようにしてください。
この連年皆伐式は、農薬の使用が少なくて済むので、周囲の環境へ配慮する事ができます。しかし、その分、時間と労力がかかってしまうため注意が必要です。さらに、毎年きちんとおこなわないことには、竹が弱らない上に、数が多いと1人での作業は大変です。その場合は、速やかに伐採をおこなう業者へ依頼することをおすすめします。
1m切り
竹の伐採には、連年皆伐式に比べより簡単に駆除ができる1m切りといった方法が存在します。冬に約1mほどの高さで竹を切ると、成長と勘違いをして成長するために栄養や水分を発します。それによって、次第に弱っていきそのまま枯れていくという現象がおきます。
注意点として、きちんと毎年冬に、すべての竹を腰の高さで切らなくてはいけません。効果がでるまでに数年かかりますが、連年皆伐式よりは、短い期間でおこなえるとされています。また、冬にできるので、虫に刺されたりする心配も減るでしょう。しかし、この1m切りは、まだあまり普及していないため確実性が低いとされています。そのため、きちんと駆除をおこないたい場合には、不向きかもしれません。
竹を駆除する方法(2) 根を掘り起こして除去する
竹は伐採によって駆除することが可能ですが、高い生命力により再び生える可能性があります。伐採よりも労力がかかってしまいますが、より確実な駆除をするためにも、竹の根を掘り起こして除去する方法も効果的です。しかし、斜面や不安定な場所での作業は大変危険なため、根を掘り起こす方法での竹の駆除ができないこともあります。
根を掘り起こして、根からの再生を防ぐ
竹は、根が残ってしまっていると、またそこから再び生えてしまいます。その大元である根を掘り起こすことで再び生えるのを防ぎ、確実に竹を駆除することができます。

しかし、竹は根を土のなかに縦横無尽に張り巡らせています。そのため、深さや範囲によっては手作業が困難になり、重機を使って掘り起こさなければいけない場合があります。また、重機を使った抜根をする場合、業者への依頼が必要になるケースが多いため費用がかさんでしまいます。さらに、通常の樹木に比べて竹の抜根は困難な作業になるので、作業に時間がかかることが多いです。
根を弱らせる方法
竹の根を掘り起こす駆除が難しい場合、根切りによって弱らせるといった方法も存在します。根切りとは、道具を使って竹の根の先端を切っていき弱らせるといった方法です。
また、周囲に養分の吸収力の強い作物を植えることで、やがて竹の養分までもが作物に吸い取られてしまいさらに弱らせるという方法もあります。養分の吸収力が強い作物としてトマトや蕎麦などを植えるのが適しており、非常に強い養分の吸収が期待できるためおすすめです。
竹を駆除する方法(3) 除草剤を使用する
確実に竹を駆除するには、根の部分を掘り起こすことで再生を防ぐことができますが、作業に非常に労力や時間がかかってしまいます。また、斜面や不安定な場所においての作業が難しいのが欠点です。
そんな場合、より労力や時間をかけず、場所を問わない駆除方法が除草剤を使った方法です。正しい手順でおこなうことにより、より短期間で確実に駆除することができます。そんな除草剤を使った駆除方法の手順を見ていきましょう。

幹に除草剤を注入する方法
竹の幹に除草剤を注入するためにも、まずは電動ドリルなどの道具を使用して穴を開けていきます。この穴を開ける作業には注意が必要になります。必ず土の表面から100cm、最低でも30cm以上の高さの位置に、竹の節から3cmを目安にして穴を開けていくようにします。
そして、穴に注入がしやすいようにスポイトを使って、除草剤を薄めず原液の状態のまま10mlほど幹に注入していきます。万が一、除草剤が漏れ出したり、雨水が入り込んで薄まらないようにするためにも、ガムテープなど粘着性の高いテープで穴を塞いでおくと安心です。
しかし、細い竹の場合、穴をあけるのが難しいため、この方法をおこなうことができません。細い竹の駆除については、「細い竹を根から枯らすには!竹の駆除から処分の仕方まで」をご参考ください。
除草剤を注入するときの注意点
除草剤を注入して竹を駆除する場合、根が枯れるまでに夏の場合は2~5か月、春・秋の場合8~11か月はかかるとされています。また、除草剤の冬の使用は効果が低下してしまうのと、
たけのこが生えた場合、農薬を使っているため食用としての収穫はできないので注意しましょう。
そして、竹に除草剤を注入する場合、地中でどのように繋がっているかがわからないため周囲すべての竹に同様の処理をおこなわなければいけません。しかし、地下茎がどのように繋がり竹が生えているかの判断が難しいため、誤って隣の家の竹にも効果が及んでしまうことがあります。トラブルへの発展を防ぐためにも、事前に除草剤を使用する連絡を入れたり、周囲に気を配るように気をつけるようにしましょう。
伐採した竹の処分方法
伐採を終え、竹の駆除をおこなった後は処分が必要になります。処分方法には、そのまま捨てるだけでなくさまざまな用途に活用することもできます。正しく竹を処分するためにも、注意点を踏まえながらいくつかの方法を見ていきましょう。
放置して土に還す
伐採した竹は、そのまま放置することで次第に腐っていき土に還ります。しかし、土に還るまでに非常に時間がかかるのに加え、暖かい時期には竹が腐ったり虫が発生しやすくなるおそれがあります。
燃やして処分する
竹は良く乾燥させて燃やすことで手早く処分することができます。しかし、地域によって野焼きが規制されている場合や燃やした際の煙によって近隣に迷惑をかける場合があるため、おこなう際には十分な注意が必要です。
家庭ごみとして処分する
竹を個人で処分する場合、細かく切って家庭ごみとして処理する方法もあります。各自治体によって、竹を処分する場合にどういった分別で出すのか規定がさまざまなので、お住まいのルールを確認した上で捨てるようにしましょう。
しかし、駆除した竹の本数によっては、細かく切り分けるのに手間がかかるのに加えて捨てる際も多くのゴミ袋を出さなくてはいけません。その場合、有料にはなりますが、竹の駆除業者に依頼して引き取ってもらうのが確実です。
竹を再利用する
竹の特徴は軽くて丈夫なのに加えて、消臭や資材としても高い効能をもっています。そのため、チップやパウダーにして畑の資材や家畜の飼料、消臭剤として利用することができます。また、竹の強度やしなやかさを活かして竹細工などに加工するのも実用的でおすすめです。

そして、竹をチップやパウダーにするためには粉砕機が必要になります。とは言え、粉砕機は高価なものなのでそう簡単に購入するのは困難かと思います。そんな場合、市や自治体によっては無料で粉砕機を貸し出している場合もあるので、活用してみてはいかがでしょうか。
まとめ
竹は成長速度がとても早いため、放っておくとあっという間に伸びてしまい環境を乱してしまうなどの深刻な被害をもたらす場合があります。定期的に切ってもその強い生命力によって何度も再生するためキリがありません。
今回ご紹介した、伐採や根を掘り起こす方法、除草剤を活用した方法を利用することによって、適切に竹を駆除することができます。また、竹を駆除し終えたら正しく処分するためにも各家庭に適した方法をきちんと確かめるようにしましょう。 しかし、竹の駆除は難しく作業には労力や時間がかかってしまうため、竹の数が多い場合、非常に大変です。そんな場合は、業者に依頼して素早く適切に駆除をおこなってもらうようにしましょう。
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