[PR]ニュージーランド航空

撮影:David Kirkland
ニュージーランド観光と聞いて、皆さんはいったいどんな風景を思い浮かべるだろうか?
羊たちが草をもぐもぐ食べている広々とした大地や、雪を冠した山々。もしくは、オークランドやクライストチャーチと言った大都市の近代的な街並みを想像するかもしれない。もちろんそうした定番スポットに足を運ぶのも素晴らしい体験になるだろう。でも、もし現地在住の日本人に本当に行くべき観光スポットを教えてもらえるとしたら、どんな場所が候補にあがってくるのだろう。
本記事では、日本ではあまり知られていない、ニュージーランドの知られざる観光スポットを取り上げている。あわせて、ニュージーランドがその豊かな自然を守るために行っているサステナブルな取り組みも紹介していこう。
樹齢約2500年の樹が生きる「ワイポウア・フォレスト」
北島の最大都市・オークランドから北に車を走らせること約3時間。人口もほとんどない、ニュージーランドの北の果てとも呼べる場所に、「ワイポウア・フォレスト」はある。ここは何を隠そう、ニュージーランド最大の樹「タネ・マフタ」が生きる森だ。
タネ・マフタとは先住民マオリのことばで森の神を意味し、樹齢約2500年、樹高51.2メートル、幹回りの太さは約14メートル(大人8人が手を繋いでやっと囲える大きさ!)もあって、まさに神と呼ばれるにふさわしい姿をしている。ニュージーランド在住の著者は、この樹を初めて見たとき、信じられないような神々しさに思わず涙を流してしまったほど。一本の巨木を見に南半球にやってくるとしても、それだけの価値があると自信を持っておすすめできる神秘的なスポットだ。

ニュージーランド最大の樹「タネ・マフタ」
ただ、ワイポウア・フォレストでは近年「カウリ・ダイバック」と呼ばれる樹木の病気が広まりつつあり、菌が付着した靴で歩くなどして人間もその拡散に一役買ってしまっているという。
ニュージーランド政府は病気の拡大を防いでタネ・マフタをはじめとする貴重な木々を次の世代に残そうと、トレッキングコースの整備をしたり、各コースの入口に消毒ステーションを設けて観光客が靴を消毒できるようにしたりするなど対応を行っている。その土地に代々暮らす先住民マオリも保護活動に積極的だ。“フォレスト・アンバサダー”に任命されたマオリのガイドが定期的にタネ・マフタを訪れ、観光客らに森の重要性や保護活動への協力を呼び掛けている。

消毒ステーションで靴の裏を消毒する観光客
ワイヘキ島のオーガニック・ワイナリー

ニュージーランドのワイナリー風景 撮影:Tourism Hawkes Bay
ニュージーランドは近年、ワインの産地としてもよくその名が知られるようになってきた。オークランドからフェリーで40分足らずの場所にあるワイヘキ島もそのひとつ。この島には30ものワイナリーがひしめくが、現地在住の著者がおすすめしたいのはサステナブルな独自製法を持つオーガニック・ワイナリー、「アワロア・オーガニック・ワイナリー」だ。

「アワロア・オーガニック・ワイナリー」のワイン
見晴らしのいい丘でブドウを育てる通常のヴィンヤードと異なり、「アワロア・ワイナリー」は森の中の谷間に沿ってヴィンヤードが広がる自然派ワイナリー。ワイヘキ島本来が持つエコシステムの中でブドウを育てることで、ブドウがもつ本来の味を最大限に引き出しているという。主な品種はシラーやカルベネ・ソーヴィニヨンなど。化学肥料や殺虫剤の利用は極力避け、収穫は手摘みで丁寧に行うなど昔ながらの製法を守っている。年間の生産量は約5千本、お客さん一人一人としっかり話したいとの思いから団体客も受け付けておらず、現地に足を運ぶしかアワロア・ワインを飲むことができないという貴重さも、同ワイナリーの魅力となっている。

世界で類を見ない「鳥の楽園」ティリティリ・マタンギ島
原生の陸上哺乳類がおらず、鳥をエコシステムの頂点に置くという世界でも類を見ない生態系を持つニュージーランド。国鳥にもなっているキーウィをはじめとして、ほかの国では見られない珍しい鳥や生き物がいまも数多く暮らしている。

タカヘ(ティリティリ・マタンギ島で見られる絶滅危惧種)

ハシブトホオダレムクドリ(こちらも絶滅危惧種)
そんな珍しい生きものたちに会いに行くのに最高のスポットがティリティリ・マタンギ島。大都市オークランドからフェリーに乗って約70分の沖合の島だ。「鳥の楽園」とも称される、著者イチオシの観光スポットでもある。
実際に島を訪れてみると、島のほとんどが森におおわれており、そこかしこから賑やかな鳥の声が聞こえてくる。標高もあまりないためハイキング初心者でも気軽にバードウォッチングが楽しめるのも人気の理由。
実はわずか40年ほど前までは森もなく、牛や羊の牧草地が広がっていた。そんな同島に豊かな森を蘇らせようと一般市民が手をとりあい、10年間で約30万本もの植林をして森を取り戻し、そこに絶滅の危機にある貴重な生き物たちを保護・繁殖させるようになった。おかげで本来滅多に見られない鳥や生き物がたくさん暮らす島となり、鳥の楽園と称されるまでになったのだ。

ティリティリ・マタンギ島 森の様子
ティリティリ・マタンギ島は現在でも運営主体は民間団体で、フェリーの運賃の一部やグッズの売り上げ、有志によるガイドウォーク(参加費10ドル/大人)の収入等が運営に充てられている。つまり、ティリティリ・マタンギ島に観光することそのものが、ニュージーランドの環境保護に貢献することに繋がるのだ。ニュージーランド固有の生きものたちに会い、ガイドウォークから自然を学び、そして環境保護にも貢献できる。これはもう、行かない理由を探すのが難しいくらいだろう。
ニュージーランドの素晴らしい自然環境を残すための取り組み
今回紹介した3カ所の観光スポットも含めて、ニュージーランドでは素晴らしい自然環境を次世代に残していくために、さまざまな分野で多様な取り組みが行われている。同国がサステナブルな社会をめざし、世界に先駆けて使い捨てビニール袋を使用禁止にしたことは記憶に新しい。
また、ニュージーランドでは、旅行者向けに環境への配慮をまとめた指針である「ティアキ・プロミス」が提唱されている。
・土地、海、自然を気にかけ、そっと足を踏み入れ、跡を残さないように去る
・安全に旅行し、 全ての環境を思いやり、気を配る
・文化に敬意を払い、心を開き、受け止める心で旅をする
たったこれだけ?と思うかもしれないが、これらの指針は、環境保護に限らずすべての活動の根底に流れる思想と言っていい。
ちなみにティアキ(TIAKI)とは、ニュージーランドの先住民マオリの言葉で「環境や人々を守る」という意味。
他にも先日、特殊なクッキー生地でできた“食べられるカップ”の試験導入を発表したニュージーランド航空もサステナブルな取り組みに積極的だ。機内やラウンジで使用されるカップを植物由来のものに切り替え、年間1500万個相当のカップごみ削減を目指している。
さらに、環境保全省と協力し、絶滅の危機に瀕している野生動物をニュージーランド国内の保護区へ輸送する支援も行い、環境保護にも熱心に取り組んでいる。新しく公開された機内安全ビデオ「飛べない鳥”タカヘ”の大冒険」編でも、その取り組みを取り上げている。
ビデオを見て質問に答えると、素敵なグッズが当たるキャンペーンも開催中(2020年3月31日まで)
https://airnz.livecampaign.asia/journey-to-safety-jp/
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ニュージーランド人はホスピタリティも豊かだ。著者も経験があるが、街中で1分でも地図を広げていれば、誰かが「困ったことはないか」と話しかけてくれるだろう。お互いが、人、文化、自然に敬意を払えば、自然環境は守られ、次の世代に繋いでいくことができる。SDGs(持続可能な開発目標)先進国ニュージーランドを参考にしながら、今回紹介した3カ所のおススメスポットを観光してみよう。きっと素晴らしい思い出になるはずだ。

今回紹介したスポットの位置
(外山稔)
【提供:ニュージーランド航空】