
2019年10月20日、ASKAが北区剣道大会・一般男子60歳以上の部で優勝し、世間を騒がせた。高校時代にはインターハイ出場経験もあり、1979年の歌手デビュー後は剣道から離れていたものの、2018年より本格的に再開。
最終的に辿り着く幸せの定義は自由なこと

──音楽の発信の仕方も、社会の変化とともにどんどん変わってきていますね。
そうかもしれない。今までやろうと思ってもなかなかやれなかったことが、今は好きにやれています。すごく自由で楽ですね。配信もそうですけど、僕はアルバムを出すときも配信のほうをアルバムリリースの2週間前に設定しているんです。
以前はアルバムが出てちょっとしてから配信をしていたんですけど、それは違うな、配信が先じゃないとダメだと思って。配信から入られる方っていうのは、ものすごく興味を持たれている方でしょ。今や拡散の時代なので、そういう方たちが楽曲を聴いて「この曲はどうのこうの」って書いたり言ったりしてくれると、それがもうプロモーションになるんですよね。
──また配信で聴かれる方に向けて、デジタルブックレットというものも出されていますね。
そうなんです。楽曲に興味はあるけどCDを欲しいわけじゃない、だけど歌詞は読みたいっていうというリスナーたち向けにね。

──発想が柔軟ですよね。デジタルコンテンツは扱い方が難しい一面もあるので、二の足を踏みがちですが。
YouTubeもそうですけど、最初はすごく敏感になってオフィシャル以外の映像を削除したりしていたんです。でも逆から見れば勝手にプロモーションしてくれているとも言えるじゃないかって、それを良しとした時期があったんです。そうしたら今度は自分たちの権利を奪うくらいまで飽和状態になってきて、ここまでは……って、また少し敏感になって。その線引きはなかなか難しいものがありますよね。
──なんでも権利の侵害だからダメダメと言うのではなく。
昔は歌詞の一節でも抜粋して載せたら著作権に触れるとか言われていましたよね。
──おおらかですよね、ASKAさん。大きく構えているというか。
いくら大事なことでも、何でもかんでも線引きされたなかで生きることの窮屈さっていうのがすごくあって。今の時代はそうなってしまっています。もちろんこれは僕の考えです。いずれ、淘汰されるものは淘汰されます。自分が時代の幅のどこにいるかが大切だと思うんですね。それは、リスナーも同じです。
──そうしたことを含めて、いろいろと新しいことを取り入れて発信していくのが好き?
そうですね。例えばね、以前、シンセで作った音を鳴らすのは音楽じゃない、人の手で演奏しないと温かみが伝わらない、エナジーが込められていないっていう時代があったんですね。でも「世の中は絶えず動いているんだから、新しいものが出てきたらどんどん使ってやろう」という気持ちでいます。そこは今でも変わってないですね。

──ミュージシャンによっては、そこに強い抵抗を感じる方もいますが。
新しい文化が生まれたとき、それを受け入れないことが自分のアイデンティティであるっていうふうに考える人もいますよね。そういう考え方もいいと思うんです、でも僕は違ってて。何かを決めつけて凝り固まってしまうと、新しいものを受け入れなくなるでしょ。そうすると古い人になっちゃうじゃないですか。僕はそれがすごい嫌で。いいと思った新しいものは、どんどん取り入れていこうと思うんですよね。
──すると新しいものはチェックするようにしている?
探しに行くほどじゃないですけどね。僕に届いた情報で気になるものは確かめてみるくらいかな。それも縁なのかもしれない。今の時代、新しいものをすべてチェックすることは無理です。
40年ぶりに剣道を再開「亀田興毅と親しくなったのがきっかけ」

──最近、音楽以外で楽しまれていることがあるとか。
そうなんです。40年ぶりに剣道を本格的に再開したので、時間があれば稽古に行くようにしています。大学生とやるのは面白いですね。自分のスピード感を維持できます。あと毎週木曜日には指導者が集まる稽古会があって。各道場の指導者が自分たちの稽古のために集まるんでが、そこでは、また違う稽古ができています。。
──すごそうですね、その稽古会は。
平均70歳から75歳くらいまでの先生方なんで、僕なんてペーペー(笑)。
──年齢を感じさせない方々が。
剣先からの「気」はすごいですね。面をつけたら年齢がわからないくらいです。
──剣道は体力がすごく必要だと聞きますが、鍛えられた身体はボーカルにもいい影響が?
あります。一昨年の12月26日に再開すると決めて元旦から稽古を始めたんですけど、体幹がすごく鍛えられましたね。剣道を再開してから声もどんどん出るようになりましたし。いろんなことに影響しているんでしょうね。
──何かきっかけがあって再開したのですか。
番組で対談したのがきっかけで、亀田興毅君と親しくなって。僕は彼の試合を見たことがなかったんで「もう一回リングに立ちなよ」「いやいや、もういいですわ」なんていう話の流れで、「俺、剣道を再開して4段を取ってみようかな」ということになったんです。彼も、僕の決心に誘発されるように再びリングにたちました。

──そういうやりとりがなかったら。
剣道を再開していないですね。すべて縁だと思います。
──40年ぶりの元旦の稽古はヘロヘロになりましたか。
そんなでもなかったですね。それまでも3年に2回くらいは、おつきあいでやってましたから。でもそこからは4段を取るっていう目標ができたんで。
──4段というのは、さすがに大変なんでしょうね。
確かに4段は難しくなります。
──そもそも剣道は何歳から始めたのですか。
本当にちゃんと道場に通ってやりだしたのは小学校2年からなんですけど。父がやっていたので、4歳くらいから竹刀は持っていましたね。父はまだ現役でやっているんですよ、90歳です。
──お父さんとお手合わせも?
しますね。父は今年、90歳で八段に挑戦するんです。八段は、現在、剣道界の最高峰です。七段を持っている剣士はこの国には多いです。しかし、八段となると極端に少なくなります。20回以上挑戦されている先生方が普通です。父は初めての挑戦だし受かるとも思ってないようですけど、「我が剣道人生の思い出のために一度受けておきたい」というので。

──素敵ですね、お父さん。かっこいいです。
僕は父とも絶対手を抜かずに本気でやるんですね。さすがに僕に打ち込んでくるようなバネはないですけど、僕が思いっきり打っていってもかわされます。だからこの前は引き分けに終わりました。
──90歳と引き分け。
剣道は歳を取ってもできるスポーツなんです。柔道とか空手とか他の武道は、受身も含めて歳を取ると怪我をしますから。剣道の場合は竹刀でよければいいので、生涯スポーツなんです。
──お父さん、受かるといいですね。
いや~、万が一受かりでもしたら剣道界始まって以来の出来事です。ただ、父には、90歳の剣士にはないバネとスピードがあります。攻撃型の八段がいても変じゃない。相手の剣をかわし、一太刀するのを「待ち剣」というのですが、若い攻撃型の八段剣士も生まれていますので、父は、そちら側ですね。審査される先生方も驚かれると思います。しかし、それでも八段取得は困難です。「剣道人生、思い出のための八段昇段審査」。ぜひ、良い思い出にしてもらいたいと願っています。
リリース情報

Breath of Bless
発売日:2020年3月20日(金)
価格:4,000円(税抜)
レーベル:DADA label
3月6日(金)よりハイレゾ音源、通常音源先行配信中
ハイレゾ音源&通常音源配信サイト:
・e-onkyo「Weare」
通常音源配信サイト:
・iTunes(iTunesは単曲での展開のみ)
・Google Play Music
・レコチョク
・mora
・music.jp
・オリコンミュージックストア
・着信★うた♪
・MySoundフル
・GIGA MUSIC(Android)
・ototoy
その他、順次各配信サイトで通常音源配信開始予定
収録曲目:
1.憲兵も王様も居ない城
2.修羅を行く
3.どうしたの?
4.未来の人よ
5.忘れ物はあったかい
6.百花繚乱
7.イイ天気
8.虹の花
9.じゃんがじゃんがりん
10.歌になりたい
11.消えても忘れられても
12.青い海になる
13.星は何でも知っている
14.We Love Music
15.Breath of Bless〜すべてのアスリートたちへ
ライブ情報
ASKA CONCERT TOUR 2020
10/4(日)府中の森芸術劇場
10/11(日)相模女子大グリーンホール
10/16(金)神戸国際会館こくさいホール
10/17(土)大宮ソニックシティ
10/29(木)フェスティバルホール
10/30(金)フェスティバルホール
11/8(日)広島文化学園HBGホール
11/10(火)岡山市民会館
11/22(日)名古屋国際会議場センチュリーホール
11/23(月・祝)静岡市民文化会館大ホール
11/26(木)東京国際フォーラム ホールA
12/8(火)愛知芸術劇場 大ホール
12/11(金)郡山市民文化センター 大ホール
12/12(土)宇都宮市文化会館
12/20(日)仙台サンプラザホール
12/27(日)熊本城ホール メインホール
12/28(月)福岡サンパレス ホテル&ホール
※上記内容に、スケジュールが追加される場合がございます。予めご了承下さい。
※チケット発売やコンサート情報等に関しては、オフィシャルサイトでご案内致します。
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オフィシャルサイト
ASKA Officia Web Site 「Fellows」