
F-BLOODが7月11日(土)、横浜のライブハウス、ブロンテにて無観客ライブを開催。この模様は動画配信サイトを通じて生配信された。
F-BLOODは今春、3年ぶりに活動を再開させ、4月25日からは東京・豊洲PITを皮切りに26本の全国ツアーを予定していたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で中止。コンサートを楽しみにしていたファンのために、無観客ライブを企画。演奏曲も4月8日にリリースした4枚目のアルバム『Positive』の収録曲を中心に、本来予定されていたツアーのセットリストを披露。
19時4分、フミヤの「Are You Ready? Come on!!」の第一声を皮切りにドライブ感溢れるギターのリフが響き渡り、ライブがスタート。オープニングは新アルバム『Positive』に収められた豪快なロックンロール・ナンバー、「ポジティブR&R」。

間髪入れず藤井尚之の「ファイト!」のシャウトを合図に2曲目に突入。リード・ボーカルは尚之で、フミヤはコーラスとタンバリンでサポート。3曲演奏したところで、フミヤはカメラひとつひとつに向かって挨拶し「俺たち、初めてやる無観客のライブですが、満員の気持ちでやらせてもらいます。今はコンサートもできず、ほとんど無職に近い我々ですが。今日は音楽で元気になってほしいと最後までがんばります!」とモニターの向こうにいる人に向け呼びかけた。
冒頭からここまで5曲は勢いのあるアップテンポ・ナンバー。メンバー紹介を経て、「ここからは、のんびり、ドリンクでも傾けながら聴いてください」と、猿岩石に提供した「白い雲のように」を始めミディアム・テンポの曲が並ぶ。
尚之もサックスからアコースティック・ギターに持ち替える。ビートルズを彷彿させる壮大なナンバー「Make me」では、フミヤと尚之のふたりで圧倒的な迫力のツイン・ボーカルも披露した。

「ここからはマイナーな曲歌います。俺たち昭和の人間なので、マイナー調の曲が似合うんです(笑)」と歌い出したのは最新アルバムに収められた「二十六夜の朧月」。ソプラノ・サックスをフィーチャーし、アコースティック・ギターをバックに70年代のフォーク/ニューミュージックのような切ないメロディを歌い上げる。
「最後の晩餐」ではソプラノ・サックスの音色がむせび泣き、レトロな昭和歌謡ムード漂う。間奏ではフミヤはダンスを披露し妖しげなナイトクラブにいるよう。

続く「孤独のブラックダイヤモンド」では往年のGSサウンドをも彷彿させ、石原裕次郎の日活アクション映画のよう。ここから間髪入れずチェッカーズの「NANA」になだれ込む流れは鳥肌が立つほどのカッコよさ。妖艶さと猥雑さが入り交じり、画面の向こうの視聴者が息を呑む声が聞こえそうだ、
ここで客席から「フミ~!フミ~!」と黄色い歓声が上がる。声の主は、フミヤの前にステージ下からお誕生日おめでとう!とシャンパンを差し出す。ステージに上がってきたのは、エレキギターを抱えラスタ・ヘアー姿にレゲエ・ミュージシャン風の木梨憲武!
この日はフミヤの誕生日ということで、「これで同い年!(木梨は3月生まれ)」と盟友が駆けつけた。

もう1曲は2019年秋にリリースされた木梨のファーストEP『木梨ファンク ~NORI NORI NO-RI~』に収められたフミヤが詞を書いた「チョイ前 LOVE」。今年はじめ、木梨のラジオ番組にフミヤがゲスト出演した際、触りを歌ったが本格的に披露するのはこれが初めて。美しいソウル/R&Bテイストのナンバーを息の合ったコーラスで見事に決め、木梨はメンバーに肘タッチをして意気揚々とステージを降りた。
「急に淋しくなるね、のりちゃんがいなくなると」と送り出し、後半は新アルバム収録の「One by One」でスタート。この日のサポート・メンバーは4月8日には4枚目のオリジナル・アルバム『Positive』のレコーディング・メンバー。バンドマスターでドラマーの大島賢治は同アルバムのプロデューサーでもあり、前作『POP ’N’ ROLL』やフミヤの『大人ロック』でもタッグを組んだ盟友。本来ならこのメンバーで全国ツアーを廻っていただけに、この日のライブにかける各人の意気込みは並々ならぬものを感じさせた。

また藤井尚之は、ソプラノにテナーとサックス、エレキにアコースティック・ギター、さらにコーラス、リード・ボーカルもと八面六臂の大活躍をみせた。ここからは熱量あるバンドサウンドに乗って一気に駆け抜ける。
「最後の曲になります! え~っという声が聞こえませんが(笑)、だんだん心が盛り上がってきました!」とファースト・アルバム収録の「GENERATION GAP」に。いつものライブならフミヤが尚之に近づいたりもするが、この日各メンバーは1m以上の間隔を空けたソーシャル・ディスタンスをとっているので叶わなかったが、ステージでの熱さは画面越しにも伝わったことであろう。
みなさんのアンコールの声が心に響いてます!と再びステージに帰ってきたフミヤは「普通の日常がどれだけ幸せだったのかを実感してます。そんなさりげない日常を歌った歌です」とバラードナンバー「さりげない唄」を朗々と歌い上げる。

最後は「我々は音楽を届けることしかできないんで、明日へ明後日へ、そして未来へ向かってこの曲を歌います!」と「SHOOTING STAR」で2時間に及んだF-BLOOD初の無観客ライブは終了。」サンキュー!また一緒に遊ぼうぜ!」と画面越しにメッセージを伝えてステージを降りた。
この日の模様は視聴チケット購入者は7月12日(日)23:59までアーカイブ視聴できる。チケットは7月12日(日)20:00まで購入が可能。詳細はF-BLOOD公式サイト参照のこと。
■F-BLOOD オフィシャルサイト