こどもの日（5月5日）とは？　その由来や、鯉のぼり・柏餅など風習の意味って？

5月5日はこどもの日。「端午の節句」でもありますが、その由来や意味について考えたことはありますか？

鯉のぼりや五月人形、兜を用意して、菖蒲湯に入り、ちまきや柏餅を食べ……でも、どうして5月5日？　鯉のぼりなど風習の意味は？　
この記事では、こどもの日にまつわるいろいろを解説していきます。

こどもの日とは

そもそもこどもの日は「端午の節句」と呼ばれ、中国のお祝いの日に由来します。
2,000年以上も昔、中国の楚の国王の側近に、屈原（くつげん）という政治家がいました。詩人でもあった屈原は正義感と情が強く、国王や民衆から信頼されていました。しかしある時、屈原の活躍を面白く思わない輩の陰謀によって失脚させられ、国を追われてしまいます。国の行く末に失望した屈原は汨羅（べきら）江という川に身を投げ、自ら命を絶ってしまいます。その際、民衆は、屈原の死体に魚が群がって食べられないようにと、川にちまきを投げ込んだそうです。この出来事をきっかけに、毎年その日になると屈原の供養のための祭が開催されるようになり、やがて国の安泰を祈願する風習になって中国全土に広がっていきました。これが端午の節句の起源だとされています。

日本に伝わったのは？

日本で端午の節句が始まったのは奈良時代のことです。端午というのは、もとは月の端（はじめ）の午（うま）の日という意味で、5月に限ったものではありませんでしたが、午（ご）と五（ご）の音が同じことから、毎月5日を指すようになり、やがて5月5日のことになったとも伝えられます。当時の日本では季節の変わり目にあたる端午の日に、災厄を避けるための行事が行われていました。この日に薬草摘みをしたり、蘭を入れた湯を浴びたり、菖蒲を浸した酒を飲んだりという風習があり、宮廷では軒に菖蒲やよもぎを挿したりしたそうです。また病気や災いをもたらす悪鬼を退治する意味で、馬から弓を射るなどの催しもおこなわれたようです。
江戸時代には徳川幕府の重要な式日が5月5日に定められ、端午の節句は日本の伝統的な行事として現代まで続きます。時代と共に、男の子の誕生と成長を祝う日として親しまれるようになった端午の節句は、昭和23年に 「こどもの人格を重んじ、こどもの幸福をはかるとともに、母に感謝する」日として、正式に日本の祝日として認定されました。

何をする？

１）鯉のぼりを揚げる

こどもの日と聞いて、まず鯉のぼりを思い浮かべる方も多いはず。鯉のぼりは、江戸時代からはじまった風習です。中国の黄河上流にある竜門という激しい滝を登りきった鯉が、龍へと姿を変え天に昇っていったという逸話にちなみ、子どもが大きく出世しますようにとの願いが込められています。

２）五月人形を飾る

外に鯉のぼりを揚げたら、家の中には五月人形を飾るのもこどもの日の文化です。五月人形には、災いから身を守るとの意味が込められています。兜や弓、太刀など勇ましい武士を象徴する道具が並びますが、こうした装飾品を並べる風習は、武士が台頭してくる鎌倉時代〜室町時代に起源があります。鎧や兜といった武具へ風を通して手入れをするために、家の中に飾る習慣が生まれたのです。
甲冑や弓矢などが一揃いになった「鎧飾り」、兜だけの「兜飾り」、武者姿をした子ども人形の「武者人形」の3タイプがあります。

３）菖蒲湯に浸かる

端午の節句に菖蒲（しょうぶ）を用いるのは、古代中国から伝わる風習です。屋根に吊るして魔除けにしたり、刻んだものをお酒に混ぜて飲んだりしていたのだとか。菖蒲のもつ独特の強い香りが邪気を祓うと考えられ、お風呂で一緒に浸かる文化が誕生しました。また菖蒲という文字からは「勝負」や「尚武」などの言葉も連想され、その縁起の良さから、子どもが健やかに成長するようにとの願いも込められています。

何を食べる？

１）柏餅

こどもの日といえば柏餅。柏は、冬の間も葉を付けたままで春を迎え、新芽が吹く頃に落葉するという特徴があります。後継ぎができるまで葉を落とさないため、縁起担ぎのめでたい木とされています。神事に欠かせない餅を縁起の良い柏の葉で包んだ柏餅を端午の節句に食べることで、男の子が元気に育つようにという願いが込められています。柏餅を楽しむ文化が生まれたのは江戸時代。当時は「味噌餡」や「塩餡」が主流だったようです。

２）ちまき

端午の節句の由来になった中国の言い伝えで、川にちまきを投げ入れたのは前述のとおり。その言い伝えから中国では、ちまきは「忠誠心が高い」ことの象徴として考えられています。屈原の命日にあたる5月5日の端午の節句には、忠義心のある子に育つようにとの願いを込めて子どもにちまきを食べさせる風習が生まれ、日本に伝わりました。
ちなみに、ちまきの中身は、同じ日本国内でも北日本〜東日本では「おこわ」、西日本では「細長いお団子」と、地方によって異なるようです。鹿児島県には「灰汁（あく）巻き」という、灰汁（あく）に漬け込んだもち米を竹の皮で包みこみ、さらに灰汁で炊き上げたものもあるとのこと。

３）タケノコ

柏餅やちまきの他に端午の節句に食べるものとして、筍（タケノコ）があります。ちょうど端午の節句の時期に旬を迎える食材で、また、成長が早く、生命力にあふれるタケノコにあやかって、竹のようにまっすぐ元気に育ってほしいという願いが込められています。

■みんなでお祝いしよう

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