そう言われたわけじゃない。でも、目がそう言っていた。
Aさんは、昨日のSNS投稿のことが頭から離れなかった。
何気ない一枚の写真に、明確な“区別”が映っていたから。
次の朝、保育園で再び出会った“あのママたち”。
その中心にいたのは、グループの絶対的リーダー。
その人がAさんを一瞥し、何も言わずに目を逸らした時――
空気は、完全に“境界線”を引いていた。
「#気の合う仲間たち」「#またやろうね」
スマホの画面には、昨日のランチ会の続きを思わせる投稿が並んでいた。
たくさんの“いいね”とコメントの数。
その中に、同じクラスのママたちの名前が複数並んでいるのを見つけて、
Aさんはようやく悟った。
これは、偶然じゃない。
**“わたしは、呼ばれる側じゃなかった”**んだ。
自分が気づいていなかっただけで、
この小さな保育園コミュニティには、
すでに「序列」と「ルール」ができあがっていた。
そして、その空気の中心にいるのが――
あの“ボスママ”、Bさんだった。
彼女はSNSでもリアルでも常に中心。
おしゃれで気が利いて、誰よりも目立つ。
でも、よく見ると、その輪の中のママたちは、皆どこか“気を遣っている”ように見えた。
Aさんは、それでも信じたかった。
「きっとたまたま、話す機会がなかっただけ」と。
でも――
その考えは、次の朝、保育園で完全に崩れた。