“監視されていたのは自分かもしれない”そんな不安が私の中に芽生え始めていた。
でもその夜、母は静かに、次の封筒を差し出した。
それはもう、“警告”ではなかった。

封筒は、前より少し分厚かった。

母はそれを無言でテーブルの上に置いた。
Aはもう、笑おうとすらしなかった。
その手は、封筒に触れるのをためらっていた。

「開けなさい。……私が、見せたくて持ってきたんじゃないのよ。あなたが、私に見せるよう仕向けたの」

母の声は静かだった。でも、明確だった。
Aが封筒を開いた。
中には、こういったものが入っていた。

バーの金を帳簿外で横流ししていた映像
父とAの情事中のカメラ映像
父とAのLIMEのやり取り

> 「あの夜の動画、また見返してた。ほんと、綺麗だった」
> 「大丈夫、保存してある♡ あなたにだけだからね」



Aの手が震えた。
静かに、確実に。