それはやがて、疑念へと変わっていった。
「もしかして、私の部屋の中が見られてる?」
知らぬ間に侵されていた、日常の安心。
花の写真が玄関前に置かれていた夜から、
私は部屋の“あらゆる角度”が気になるようになった。
花瓶を置いた棚。
テーブルの上のマグカップ。
朝の光が差し込むリビングのソファ。
全部、「誰かに見られているような配置」だった。
考えすぎかもしれない。
でも、照明の真下にあるカメラに見える小さな穴や、
棚の裏に貼り付けられた丸いシールのようなものが、妙に気になった。
私は無意識に、家の中を「盗撮されている前提」で観察しはじめていた。