何も言ってこないくせに、必要なときには“何かを差し出してくる”。
今回は、無言で届いた1枚の紙――
それが、次の恐怖の扉を開くきっかけになった。
朝、郵便ポストを開けたときのことだった。
そこに一通の白い封筒が入っていた。宛名も差出人もない。
中には、ただ一枚の紙が入っていた。
その紙には、まるで建物の設計図のような図形が描かれていた。
部屋の間取りではなく、マンションの「35階全体のフロア配置図」だった。
中央にはエレベーター、L字型の廊下、左右対称に並ぶ部屋番号。
そして、その中の一室
斜め向かいの部屋のところに、赤い丸が記されていた。
ぞっとした。