夜中のノック。
誰もいないはずの廊下。
だけど録音していた音声を再生した瞬間、
本当に“何か”がそこにいたことを知ってしまった。

翌朝、私は恐る恐るスマホを取り出し、
昨夜の録音データを再生した。
再生ボタンを押すと、静寂の中に“あの音”が響いた。
「……コン……コン……コン……」
やっぱり、気のせいじゃなかった。
しっかりと、3回のノック音が記録されていた。
でも、問題はその後だった。
ノックのあと、5秒ほどの静寂があって、
何かがマイクに近づくような“衣擦れの音”
そして、小さな“声”。