干し方が甘い、たたみ方が雑、Tシャツの襟が伸びる
姑の「洗濯チェック」は、今日も容赦なかった。

細かく言われるたびに、「次こそちゃんとしなきゃ」と思う。
でも、完璧を求められる生活は、息をするだけで苦しくなる。

ついにRさんは、夫に相談することにした。
“わかってくれるはず”という淡い期待とともに。

けれど返ってきたのは、
あまりにも無責任で、残酷な一言だった。
洗濯物を干し終えた瞬間、義母がベランダに現れた。

「これ、襟の向きが逆よ。シワになったら“あの子”(=夫)がかわいそうでしょ」

“あの子”とは夫のこと。
義母の中では、いつまでも“可愛い息子”であり、
Fさんは“その世話をする存在”らしい。

「すみません、気をつけます…」

そう言いながらも、Rさんの心はどんどん冷えていった。

「こんな生活、あとどれくらい続くんだろう」

夕方、夫が仕事から帰宅したタイミングを見計らい、
Fさんは勇気を出して話を切り出した。

「…ねえ、ちょっと相談があって」