それでも俺は、どこかで「誰かが悪かった」と思いたかった。
でも違った。
甘い言葉に、目を閉じたのは俺だ。

あのときKが言ってた。

「夢ってのは、食えるまでが本番だ。
それを“売る側”になったら、終わりだぞ」

最初に落ちたKの方が、
ずっと現実を見てたんだ。

それに比べて俺は――
“チャンス”を信じたふりをして、
“言われたい言葉”に、すがっていただけだった。

「あなたには才能がある」
その一言が欲しくて、
金を払い、現実を見失った。

スマホを握ったまま、ゆっくりとホーム画面に戻る。
通知の来ないLINEグループ。
「デビューします!」と投稿したSNS。

どれももう、開く気になれなかった。

最後に画面を開き、
アプリを長押しして、削除する。

小さな“×”ボタンを押しただけで、
全部が終わった気がした。

【漫画】オーディション商法にひっかかった「夢って怖いな」【あなたの知らない衝撃体験Vol.56】

そう呟いて、部屋の明かりを消した。

※本記事は一部生成系AIを利用しています。