その日、テーブルに並べられたものを見て、思わず目を疑った…
その日、祐介が仕事から帰ると、テーブルに“カレーライス”が並んでいた。
ただし、常識を覆すような姿で。
ピンクと水色に染まったライスに、ルウにはマーブルチョコと綿菓子、極めつけはホイップクリームのトッピング。
満面の笑みで美咲が告げる。
「……これ、食べ物なのか?」と祐介は思わず口をつぐんだ。
一口食べれば、甘さとしょっぱさが交互に襲いかかり、味覚が崩壊する。
もはや食事ではなく、SNS映えのためだけに作られた“作品”だった。