「バズる料理を作りたいの!」その一心で、美咲の“映え追求”は加速する。
だがその代償は、家計をじわじわと圧迫し始めていた。

仕事帰りに冷蔵庫を覗いた祐介は、目を疑った。
そこには金粉付きのリンゴ、紫キャベツ、真っ青なチーズ、そして“バラの香りのスモークサーモン”と書かれたパッケージが並んでいた。

「…これどこで買ったの?」と尋ねると
美咲はスマホ画面を見せて「海外通販で取り寄せたの。珍しくて映えるでしょ♪」と無邪気に笑う。

だが翌日、テーブルに置かれたレシートを見て、祐介の顔色が変わる。

合計金額は5万円を超えていた。