美咲は、祐介と再び同じテーブルに座っていた。
スマホを手にしながら、彼の目をまっすぐに見て言った。

「…やっぱり私、SNSはやめられない」
「誰かに見てもらうことが、私にとっての“存在証明”みたいになってて…それをゼロにするのは、正直こわい」
祐介は黙って聞いていた。
途中で口を挟むことはなかった。彼は、ただ受け止めようとしていた。

「でもね…」
美咲は、スマホを伏せて言った。

「家庭の中では“映え”じゃなくて、“安心”を大事にしたいから」
祐介は微笑んだ。
「…それでいい。ありがとう」