店長の声は穏やかだったが、はっきりと冷たかった。

「本部にも記録として報告済みです」
男は何も言えず、その場に立ち尽くした。
「な、なんだよ…バイトが勝手に騒ぎ立てただけじゃないかよ…!」
「うちのバイトは優秀なんです。ちゃんと見てるし、声をあげる。それを無視して、やりたい放題やったのはあなたですよ」
男がうめくようにカップを置き、逃げるように店を出ていった。
静けさが戻った店内。店長は私に向き直ると、軽くうなずいた。
「…よく頑張ったね」
私は少しだけほっとして、笑みを返した。