私の名前は村井加奈。
大学の授業がない日や夕方の空いた時間に、家の近くのファストフード店でバイトをしている。
忙しい時もあるけど、そこまで繁盛してるわけでもない。
暇な時間はダラダラとバイト同士でおしゃべりを楽しんでいる時もあるようなゆるい職場。

お客さんを待たせないために最低限用意されている食材は、決められた時間で廃棄するきまりがある。
最初はまだ食べられるのに…と思っていたけれど、お店のルールだし、絶対に守るよう言われているので罪悪感にかられながらも捨てていた。
「もったいない」
捨てる様をみて、そう呟くバイトリーダーの美優さん。
彼女はじっと捨てられた食材を見つめていた。