昼間、義母に“家の味ノート”を渡されたせいか、息苦しさが抜けない。
うつ伏せで眠ろうと目を閉じていた、その時だった。
かすかな気配“誰かに見られてる”。
ぞくりと背筋が震え、私はゆっくり目を開けた。
ふすまの隙間から、何かが覗いている。
目が合った。
あれは…麻理恵さん?
暗がりの中、彼女は無表情のまま、ただじっと私の部屋の中を見ていた。
声を出そうとして、喉が動かない。
夢? 幻覚? でも、ふすまはゆっくりと音もなく閉じられた。
あの沈黙、そして“気配”だけが、現実だったと物語っていた。
翌朝、洗面所で顔を洗いながら、私はまた視線を感じた。
鏡越しに、無言で立っている麻理恵さんと目が合った。
ぽつりと落ちるような声。
私はとっさに笑顔をつくって「はい、大丈夫です」と返した。
けれど、内心はぐちゃぐちゃだった。
あの夜の視線。ふすまの隙間から覗くあの顔。
どう考えても“偶然”ではない。なぜあんな時間に、黙って、部屋の外に?
思えば、あの人の行動にはいつも“意図”がある。
言葉は少ないけれど、確実に何かをコントロールしようとしている。
そして私は、それを「見なかったこと」にして生きるしかなかった。
※本記事は一部生成系AIを利用しています。