実家に戻ってから数時間。
ほんの少しだけ、呼吸が楽になっていた。

母と一言二言交わして、布団に入って、久しぶりに深呼吸した。
ようやく静かな夜を過ごせるそう思ったのに。
朝スマホを見て凍りついた。

LIMEの通知が止まっていなかった。

義母からのメッセージが、10分おきに20件以上。
「なぜ出ていったの?」
「家庭を放棄する気なの」
「大輝がかわいそう」
「うちはあなたを受け入れたのに」

画面をスクロールしても、終わりが見えなかった。

そして義姉からもたった一言。
「大丈夫?」
その“優しさ”が、なぜか背筋を凍らせた。