“相談すれば何とかなる”
そう信じていたのが、甘かった。
この場所では、助けを求める声にすら意味がない。

意を決して、マンション1階の管理人室へ向かった。
扉をノックすると、ガチャ…と無言で開く。
デスクに座っていたのは、毎朝掃除している無愛想な男性。
このマンションの常駐管理人。

「ちょっと相談なんですが、最近うちのドアの前にゴミが置かれてて…」
「もしかして、嫌がらせかもしれなくて…」
私がそう伝えると、管理人はため息混じりに言った。