通知音が鳴って、スマホを見た瞬間、背中に冷たいものが走った。
義姉からのLIME

その文面は、あまりにシンプルだった。
だからこそ、怖かった。

“理由をつけてでも私に近づこうとしている”そう感じた。

その日は一歩も家から出ていなかった。
息を整えて、家族と他愛のない会話をして、ようやく“普通の自分”を取り戻しかけていた。
なのに、スマホひとつで、あっという間に息が詰まる。
“行ってもいい?”という言い回しが、どこか試すようで、命令のようで、そして逃げ場を奪っていた。

私は返信できなかった。
けれど、未読のままではいられないほどの“気配”を感じていた。