
2階の部屋は、誰にも触れられずにそのままだった。
クローゼットの中、本棚、引き出し。
どれも、あのときの私のままだった。
服をまとめ、箱に詰める。
書類を分け、いらないものを処分する。
それだけのはずだった。
でも、どこかに“何か”が残っているような気がしていた。
静かな気配の中、誰かの足音が遠くで止まる。
振り向かなくてもわかる義姉だ。
声をかけてくるわけでもなく、立ち去るわけでもなく、
“気配”だけで、私を包んでくる存在。
私は手を止めなかった。
それが、自分を守る唯一の方法だった。
※本記事は一部生成系AIを利用しています。