いつもの食卓、いつもの夜。
けれどその日、私は決意しました。
穏やかだった日常が、ここまで歪むなんて
誰が想像したでしょうか。


息巻く夫の目は、炎のようにギラついていました。
鍋の湯気が真っ赤な唐辛子に反射して、まるで悪夢。

その匂いだけで、涙が出そうになる。
体が反応しているんです、「もうやめて」と。

私の前に差し出された激辛スープ
それを見つめながら、私は静かに立ち上がりました。