今日の味噌汁は、ちょっと様子が違った。
いつもと同じ作り方をしたはずなのに
スプーンを入れた瞬間、立ち上がる“異常な香り”。
私の料理が、“何か”に侵され始めていた。

その日も、いつも通りの夕食の準備をしていたはずだった。
私が作った、わかめと豆腐の味噌汁。

…のはず、だった。

一口飲んで、舌がピリッと痺れた。

「え?なんで辛いの…?」

鍋の蓋を開けて確認すると、そこには赤黒いスープ。
よく見ると、表面にはラー油のような油が浮いていた。