いつものように、少し辛い夕飯だと思っていた。
少し我慢すれば、なんとかなる。
そう思い続けていた私の体が、
この日、ついに限界を迎えたのです。

「ちょっとピリつくくらいだから」
自分にそう言い聞かせて、また赤い鍋を食べた夜だった。

食後、異変は突然やってきた。

胃の奥から、焼けるような痛み。
息を吸うのも苦しくて、脂汗が止まらなかった。


剛さんが心配そうに覗き込む。でも、どこか他人事。
「辛いの苦手なら、無理すんなよー」
それ…あなたの言うことじゃない。