味噌汁を出すと、
剛さんは嬉しそうにキッチンへ向かい、
引き出しから取り出した“激辛味噌”を取り出した。

一杯、また一杯
スプーンですくっては、私の作った味噌汁に溶かしていく。


私がどれだけ丁寧に出汁をとったかなんて、
彼にとっては“どうでもいい”らしかった。

「辛味で全部リセットされるからさ!」
そう言って笑うその顔に、私は何も言えなかった。