“一緒に食べる”という行為に、
こんなにも絶望する日がくるとは思わなかった。

剛さんは“快感”として辛さを味わい、
私はなぜ同じ物を食べないといけないのか…。

同じ食卓にいながら、
まるで別の国に住んでいるみたいだった。

「辛さは愛だろ!」と笑う彼の横で、
私はスプーンを持つ手を止めたまま、
何も感じなくなっていった。