「最後に一度、だけ」

そう言って戻った家。

久しぶりの夕食は、もちろん“激辛鍋”だった。
夫は変わっていなかった。
いや、もっと“進化”していた。
香りも、色も、刺激も
「家庭の味」とは到底呼べない。

私の“最後の我慢”は、
そこで、ぷつんと切れた。