憧れの存在だった“推し”は、
私の過去を使って、笑いを取っていた。

彼の配信アーカイブを漁っていたら、あるサムネイルに目が止まった。


見覚えのあるカフェの外観。
テーブルの上に並んだケーキとラテアート。
私が4年前、誕生日に連れていってもらったあの店だ。

映っているのは、私の顔にモザイクが掛かっている写真。
でも服装も髪型も、間違いなく私だった。

その動画のタイトルは
《地雷女にありがちな記念日行動w》

震えが止まらなかった。
あれは、私と彼の“思い出”だったはずなのに。
それを、彼は「バズる素材」として保存していた。