ガチャ。

「あ、え、なんで……来たの?」

しどろもどろの声。
私の顔を見た瞬間、彼の表情から配信時の余裕は消えていた。


声が震えていたのは、私じゃない。
彼のほうだった。

私は部屋に無言で入り、目の前のノートPCを睨みつけた。
コメント欄にはまだ名前の伏せられた“E”の話で盛り上がっている。

そんな画面を、彼は慌てて閉じた。

「やば、配信切って……っていうか、落ち着いて……」

「“私をコンテンツに使って楽しい?”」

彼が言い返す前に、私は問いかけた。
彼は笑おうとしたけど、その表情は引きつっていた。