35歳、共働き。
毎朝保育園に子どもを送ってから出勤するのが、私の日常だ。

そんなある朝。
門の前で名前を呼ばれた。


笑いかけてきたその女を見て、私は一瞬、時が止まった。

ワインレッドの巻き髪。明るい口紅。
見違えるほど華やかになっていたけれど、私はすぐにわかった。

中学時代、私を3年間いじめていた“あの女”だった。

無視。悪口。机を蹴られ、鞄を隠された日々。
名前を聞くだけで動悸がした相手が、
今、保育園の送り迎えで“ママ友”として目の前にいる。

「え〜偶然すぎる!うちの子、4歳!Mちゃんとこは?」

【漫画】中学時代に私をいじめた女が無邪気に話しかけてきた【あなたの知らない衝撃体験Vol.63】

無邪気な笑顔。
その口が、どれだけ私を傷つけてきたか、覚えているはずがない。

でも、私は笑ってしまった。
その場を壊す勇気がなかった。