彼がスマホを手放したすきに、私は検索した。
“藤島直哉 結婚歴”
“藤島直哉 婚姻届”
“藤島直哉 元妻”
最初はヒットしなかった。
でも、1つだけ違う名前のブログが引っかかった。
“婚約者・Sとの記録”というタイトル。
記事には、幸せそうな結婚式の写真が載っていた。
そこに写っていたのは、彼だった。
でも、名前は「木島 直也」。
「藤島」は、通称か偽名。
彼の本名は“木島”別の姓だった。
その瞬間、指が震えた。
私は恐る恐る、そのブログの問い合わせフォームから連絡を送った。
「突然すみません。
このブログに写っている“木島直也”という方と、いま結婚予定の者です。
確認したいことがあって……」
返信が来たのは、翌日の朝だった。