
段ボールの中には、見覚えのあるエプロンがあった。
くすんだ薄緑色のエプロン
あの家で、義母がいつも着ていた“あれ”とまったく同じ。
思い出した。
「あんたも今日からうちの人間なんだから」
そう言って私に着けさせようとしたあの瞬間。
私は断った。受け取らなかった。
それを今、義姉が“新しい贈り物”として送ってきたというの?
手帳の裏には、鉛筆でこう書かれていた。
『梨花さんへ このエプロンが似合うのはアナタだけ』
名前も場所も知らせていない。
“ここに贈ってくる”ということは
もうすでに居場所を知られている。
「また同じエプロン、着てね」
あの人の、笑顔が脳裏によみがえった。
※本記事は一部生成系AIを利用しています。