義姉から「どうしても話したい」と連絡があった。
私はためらったけれど、駅近くの公園ならと応じた。

木のベンチに並んで座ると、彼女は当たり前のように笑っていた。
「ごめんね、寒い中…。でも人が多いカフェより、こういう方が話しやすいかと思って」
それは、私を安心させようとする口実にしか聞こえなかった。


隣でつぶやかれた言葉に、思わず息が止まる。
「母と一緒に暮らしてた頃も。食卓での仕草とか、言葉の選び方とか……ついね」
まるで、今もずっと見られているような気がした。