眠れなかった。
布団に入っても、あの“視線”の感覚が脳裏から離れなかった。

朝になって、私は意を決して部屋中を調べ始めた。

引き出し、クローゼット、排気口。
普段は気にしない場所をひとつずつ確認していく。

そして、テレビ裏の壁に違和感を覚えた。
コンセントの横に、小さな“穴”が開いていた。


もともと空いていたのか? それとも、最近?

爪で触れると、軽くざらついていた。
テープの粘着跡のようなものも、かすかに残っている。

「まさか…ここから?」

震えた指でスマホのライトを当てたそのとき、壁の中で何かが“反射した。