「…は?」
思わず、聞き返した。
相手はさらりと言った。

「佐倉さん、パスタのソース最近は市販の使ってますよね? わかりますよ“カチャ”って瓶を開ける音、毎日聞いてましたから」

私は通話を切った。震えが止まらない。
誰?なぜ?どうして――そんな問いより先に、**“聞かれていた生活”**が、身体を駆け巡った。
まるで、覗かれていたみたいに。

いや、“覗かれてた”んじゃない。
“一緒に住んでた”みたいな言い方だった。

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