トラックに戻る途中、工藤さんがぼそっとつぶやいた。

「……いい提案だったな、あれ。お前がいなかったら、こんなの誰も考えなかっただろ」
「そうですかね、誰でも思いつくと思いますけど」
「大人っていうのは凝り固まって新しい事を考えるのは苦手なんだよ。……証拠とか保険とか、俺たちじゃどうにもできないことが多いけどさ。こうやってひとつだけでも、守れるもんが増えるなら……まあ、悪くないな」

俺はうなずいた。
でも、本音を言えばまだ割り切れてはいない。

今でもあのしてやったり感のある悪意ある笑みが脳裏に浮かぶ。
理不尽は残ってるし、思い出すたびに腹も立つ。
けれど、それでも俺は今もここで荷物を運んでいる。
汗をかき、指を痛め、腰をかばいながら――昨日よりも少しだけ、ちゃんと働いている気がする。




※本記事は一部生成系AIを利用しています。