その日管理人室の前で立ち止まった。
どうしても“前の住人”の名前が知りたくて。


管理人はそう前置きしながらも、玲奈が“危機感”を訴えると、少しだけ折れてくれた。
見せてくれたのは、部屋番号ごとの“入退去の履歴”。
日付と滞在期間、それだけが無機質に並んでいる一覧表だった。

玲奈はその中から、自分の部屋――3503号室の項目を探し、目を疑った。

「……何回、入れ替わってるの……?」