現場に着くと、清掃スタッフたちの間に妙な空気が流れていた。

「これで使われてないはずの部屋が使われるの何回目だろ?」
私は耳を疑った。605室は私が昨日清掃した部屋だ。
「ゴミ箱に空のペットボトル、テーブルに髪の毛、あとタオルも使った形跡があったとか」
平松さんが苦笑気味に私の方を見る。
「清掃漏れってことで、もう一度清掃入れておいたから」
私は言葉を失う。
確かに掃除した。タオルも取り替えた。髪の毛なんて一本も残してない。
清掃後、リーダーである平松さんが再チェックするのだから清掃漏れのはずもないはずだ。
(……じゃあ、誰かが、清掃の後で……?)
鍵は清掃後、鍵をかけてフロントに返される。
じゃあ“何”が起きた? 誰が“使った”?
――ただの清掃漏れとして、フロントも先輩も片づけようとしているけれど。
毎回、そんなことが起きる方がおかしい。
私は、見逃すわけにはいかない気がしていた。
※本記事は一部生成系AIを利用しています。