朝、起きて鏡を見るたびに思った。
「……これ、前よりおかしくなってない?」
目の開きが左右で違う。
笑うと片方のまぶたがくっきりと食い込み、もう片方は引きつったまま。
「これは体質かも」「時間が経てば落ち着きますよ」
D医師のその言葉だけを信じて、私はフルメイクで腫れと歪みを隠し、会社に行った。
でも、隠せていなかった。
「……あれ、〇〇さんって、目変えた?」
ランチ帰り、すれ違いざまに同僚がひそひそと笑った。
休憩室の自販機の前で、水を買おうとしたとき――
後ろでこんな声が聞こえた。
「え、昔の写真と全然違うよね?」
「高校の卒アル、あれやばくない?」
SNSで、私の整形前の写真が晒されていた。
なぜか。誰が。
そんなことよりも、“もう広がっている”という事実に、指が震えた。