
今年で開催11回目を迎える日本最大のメタル・ フェス「LOUD PARK」(10月8、9日:埼玉スーパーアリーナ)で6年ぶりに復活するサウスポーのメタルソロギタリスト、Kuni。
彼は単身で83年にアメリカに渡り、独学でギターと英語を学びながらメタルシーンを制覇するLAのベテラン・ミュージシャンと共に、86年にデビューアルバム『Masque』を制作した。
これまで彼のアルバムに参加したメンバーはビリー・シーン(MR.BIG、THE WINERY DOGS)、フランキー・バネリ、チャック・ライト、ケヴィン・ダブロウ(3者ともQUIET RIOT)、カル・スワン(LION、BAD MOON RISING)ニール・タービン(ANTHRAX、DEATHRIDERS)ジョン・パーデル(OZZY OSBOURNE、HEARTをプロデュースしたヴォーカリスト兼キーボーディスト)、ジェフ・スコット・ソート(YNGWIE MALMSTEEN、TALISMAN)、デニス・セイント・ジェームス、マイク・テラーナ(TONY MACALPINE、YNGWIE MALMSTEEN、MASTER PLAN)、エリック・シンガー、デイヴ・スピッツ(WHITE LION、BLACK SABBATH)などといったハードロック/へヴィメタル界きっての豪華な顔ぶれだ。彼が奏でる正統派ハードロックがいかに世界の一流プレイヤー達に認められているかの証しだと言える。
そんな彼は93年に帰国後、大手の音楽出版社でMEGADETH、GUNS N’ROSES、METALLICAなど、数多くのメタル・バンドと楽曲管理の契約を交わす敏腕パブリッシャー/インターナショナルA&Rとして新境地を見出す。その後も大手のレコード会社を渡り歩き、自らの経験によりミュージシャンとしての気持ちが誰よりもわかる為、誰も言えないようなことも本音で語る姿勢を偉く気に入られ、AEROSMITHやVAN HALENからも手厚い信頼関係を築いた。その後も幅広い交流関係の中でも良質のミュージシャンの作品をリリースする目的でレーベルも積極的に立ち上げ、数々のリリースを生み出した。また、B’zに数々の洋楽ミュージシャンを紹介したのも彼こそが成し遂げられる大功であった。
幼い頃に憧れだったミュージシャンとはほぼ共演や仕事で交流を持ち、30年経った今でも彼を慕う者は多い。その厚い人望を買われ、今年のLOUD PARKは30周年記念祝いとしてお声がかかったが、同時に惜しくも引退表明のラストステージとなると表明した。今回のステージで彼をバックアップするのは80年代もKuniのステージを共にしたベテラン・シンガー、ジェフ・スコット・ソート、ドラムにダレン・スミス(HARLEM SCARLEM、RED DRAGON CARTEL)、ベースにトニー・モンタナ(GREAT WHITE、SLASH)といったランナップで、ドラムもベースもリードヴォーカルを披露できる3人シンガー体制になるという事だ。
本人は今年に入ってから週5日間のギター練習だけでなく、週3~4日の水泳やトレーニングで体力をつけ、「今までの30年の総括。俺のメタル人生のすべてをさらけ出すべく、選曲から演出まで今まで観た事がないようなステージにしてみせる!」と熱い底力を叩き付けた。Kuniの「LOUD PARK」出演は10月9日(日)。
30年のベテラン・ギタリストKuniがセレクトしたトップ10ギタリストは以下の通り。
[Kuni’s Select Guitarist Top10]
1. Randy Rhoads
ヘヴィメタルとクラシックの要素を融合させたギターソロに衝撃を受けた。
2. Edward Van Halen
Jimi Hendrix亡き後ロックギターの大改革をライトハンド奏法で衝撃的に成し遂げた。
3. Gary Moore
ロック、ジャズ、ブルースと多様なスタイルを見事に骨太に弾き倒し泣きのギターと早弾きにセッションも見事にこなすギタリスト。
4. Jeff Beck
1番大好きなギタリスト。リズムにメロディーがありソロにリズムがあり、誰とどんなジャンルでも自分のスタイルがある努力の人!
5. John Sykes
ソングライティングが抜群。
6. Michael Schenker
ピッキングハーモニクスと素晴らしいリフメーカー!
7. Paco De Lucia
アコースティックで指弾きフラメンコギターを完璧に追求した人!
8. Alvin Lee
元祖早弾きギタリスト。
9. Ritchie Blackmore
ずば抜けたカリスマ!
10. Tony Iommi
ヘヴィメタルギターサウンズの元祖。
Text: Keiko “Ginger” Suzuki
Photo:堀田芳香