宇多田ヒカル、亡き母・藤圭子の死と長男への心情を吐露。「もし母が亡くなった後に妊娠していなかったら…」

22日放送のNHK総合「SONGS」で宇多田ヒカルが亡くなった母・藤圭子について語る場面があった。



この日の番組で、宇多田は糸井重里との対談形式で活動休止中の生活や音楽活動についてのトークをしたほか、実際に歌うシーンもあった。

トーク中、演歌歌手として活躍をしていた母・藤のことを宇多田は「ステージで母見てて『うわ、凄いな』って思うことはずっとありました」と、語り始めた。



宇多田は藤が亡くなった時のことを「(母の死は)デカいですね。デカかったです」と振り返った。続けて「あらゆる現象に母が見えてしまう時期があったんですよ。関係ない現象でも」と話し、「誰しも原点があって、私の原点は母だった。私の世界、あらゆる物、現象に彼女が何かしら含まれているのは当然じゃん? と。

私の身体だって結局親から来ているものですから、まぁ当然かと思えるようになって。それまで悲しいと思ってたのが、急にそれで『ああ素晴らしいことだな』と。それを感じられるようになったんだから素晴らしいことじゃないかって思ったんですよね」と、気持ちの変化について語った。



宇多田は活動再開後に初めて発表した「花束を君に」は、母に宛てた手紙だと語った。曲作りをしているときのことを宇多田は「伝えたいって気持ちが急にワッて芽生えたんですね。じゃあ言葉でって思ったところで、言葉が足りないくらいの思いが存在したんですよ」と振り返った。



「もし母が亡くなった後に妊娠していなかったら、今もし子供がいなかったら、多分アルバム作ったり仕事を始めようと思えてないと思います」と話す宇多田は、子育てをしているうちに自身の子どもの中に、自分の生まれたばかりの頃を見出すことができると語った。



その様子を「『あ、私こんなんだったんだ』『こんなことを親にしてもらって、多分こんなことをしてて』『こんな顔してて』とかっていうのが見えて、それって結局親に対する感謝ですとか、自分がどこにいるのかフワッと見えた瞬間っていう感じで。ずっと苦しんでいた理由みたいな、闇のわからないっていう苦しみ、『なんでこうなんだ』っていう苦しみがふわってなくなった気がして、色んなものが腑に落ちるというか」と表現し、出産と子育てを経ての変化していく心境を語ったのだった。